2017年12月16日(土)、東京ビックサイトにて開催された『キャリタス就活フォーラム インターンシップ&仕事研究』に、リケジョの滝沢さんと内山さんが参加。企業紹介ブース以外にも、業界研究に役立つセミナーや社会人との交流の場も満載ということで、2人も「楽しみです! たくさん回りたいと思います!!」と意気込みを。そこで、朝から夕方まで時間をかけてたっぷりと会場を巡り、当日のイベントの様子をレポートしていただきました。
約400社が出展していたほか、人気企業の特別セミナーなども行われた今回のイベント。入場無料、服装自由ということもあり、会場には朝から多くの学生が会場に詰めかけていました。
受付を済ませた2人はまず、入り口でこの日に回るブースやセミナーを計画。滝沢さんは現在大学院生ですが、2年前に一度就職も考えていたこともあり、インターンシップイベントへの参加はそれ以来とのこと。一方、今回が初体験となる大学2年生の内山さんは、「想像以上に会場が広くて驚きました。参加者の多さにもびっくりしましたが、服装が自由だからかみんなリラックスしているようで、まだ『就活するぞ!』という緊張感がないのがいいですね」と感想を話してくれました。
2人が最初に訪れたのは、キッコーマン、サッポロビール、日本水産、ロッテグループによる『食品4社プレミアムカンファレンス』。
ロッテの高木未来さん司会のもと、【食品メーカーで働く魅力について】の質問を投げかけられると、キッコーマンの熊本早希子さんは「ひとつに、性別・年齡・国籍に関係なく商品を届けられる為、お客様に限りがないこと。また、新たな商品を提案するにあたって子供の頃からの食体験を活かすことができること。そして、売れ行きが数字ですぐに現れる為、仕事の成果が目に見えやすいこと」の3点を挙げていました。また、サッポロビールの田中莉乃さんも、「食品は毎日手にするものであり、生活に必要な身近なものを扱っているという思いがあります。それに、飲食店で自分が携わったビールで乾杯している場面に出くわすと、すごく嬉しい気持ちになりますね(笑)」と話していました。
そのほか、【理系大学出身者に求められるものは?】という問いについては、日本水産の白井和紀さんが「会社に入ると現場で学ぶことが多く、自社の製品をしっかりと理解することも大事。その意味では、たとえ研究職でも社内のいろんなことに目を向けることも必要になります」と説明。その言葉に高木さんも賛同し、「ラボにこもって研究に集中することも大事ですが、“一緒に製品を作り上げていく”という気持ちも大切。そのためのコミュニケーション能力も必要な要素になりますね」と、お話しされていました。
将来的に食品メーカーへの就職を志望しているので、とてもためになりました。また、これまで企業ごとの特徴や仕事内容を横並びで比較して考えたことがなかったので、同時に4社からのお話が聞けたことがよかったです。
続いては、日経BP社編集部による業界研究講座に参加。ここでは『ものづくり業界で起きているメガトレンド』と題した、日経ビジネス副編集長・菅原透さんによる講演が行われていました。現在の日本の製造業について菅原さんは「海外の力が伸び、いまのままだと未来に大きな不安を抱えている」と指摘。しかし、「これから訪れる第4次産業革命に向けて、AIやIoT(Internet of Things)をいかに活用していくかが重要。新たなアイデアを取り入れ、いかに次世代の製品を作り上げていくかに期待したい」と話してくれました。
具体的な数字を出しながら日本の製造業が危うくなっているというのをわかりやすく教えていただけて、とても刺激的でした。「日経ビジネス」の副編集長さんということもあり、きれいごとだけではない現状をお話しいただけたことで正確な情報を得られましたし、その対策やこの先の展望を学ぶことができたのも大きかったです。
その後、企業の皆さんと直接会話ができる『あいせきランチ・カフェ』へ。「企業ブースだとどうしても緊張してしまいますが、こうした場所だと気軽にお話ができるので、お仕事の話はもちろん、普段の生活や職場の雰囲気などのお話も聞けて、すごくいいなと思いました」と滝沢さん。
また、食事を済ませると、ここでちょっとブレイク。会場に来ていた同じリケジョで、大学3年生の女性お2人に話しかけてみることにしました。
2人は食品系企業への就職を考えているとのことで、同じ業種を目指す内山さんと意気投合。また、こうしたインターンシップイベントへの参加経験があまりない2人は「食品メーカーの企業を中心に回ろうと思っていたのですが、他業種や外資系もたくさん出展していて、来てみないとわからないことがたくさんあるなと感じました」と感想を語ってくれました。
ほかにも、「今回のイベントは大手企業が多いので、次は中小企業が多く出展しているイベントにも参加してみようと思います」、「大学でも就活のサポートをしてくれますし、WEBにもたくさんの情報がありますが、自分だけの情報を探しにいくことが大切なんですね」と4人で意見交換を。最後は、「この日の経験を、これから始まる就活に活かしていきたいです」と話していました。
午後からは、『理系学生対象エリア』へと向かい、家電やAV機器を製造している「日立アプライアンス」と、精密機器を扱っている「シチズン・システムズ」のブースを訪問。ここではそれぞれが開発している製品の紹介や実際の仕事内容、職場環境などのお話をうかがい、またインターンシップについての細かな説明を受けました。
「シチズン・システムズ」さんは説明会が終わったあとに、企業の方から学生に話しかけてくださいました。こちらからの素朴な疑問にもフレンドリーな雰囲気でお答えいただけたので、たくさんお話ができましたし、こうした機会があるのもイベントならではなのかなと感じました。
そして最後は、就活におけるテクニックを学ぶセミナーへ。2人が参加したのは、メイクセラピスト・坂井ナオミさんによる『自信を付けるには見た目から!~なりたい自分になる自己分析ヘアメイク講座~』と、就活支援のスペシャリスト、田中寛司さんによる理系学生を対象とした『コミュニケーション苦手克服講座』。
ヘアメイク講座では、“いい印象”を考える上での必要なこととして、坂井さんは「T.P.P.O」(TIME<時>、PLACE<場所>、PERSON<人>、OCCASION<機会>)について説明。「自分がいまから誰に(どんな人)に会うのかを考え、それに合わせたメイクや髪型、衣装を考えなければいけません。また、“自分が理想とする印象”をしっかり考え、明確にすることは、“自分がなりたいもの”を考えることにもつながります」と解説してくれました。一方、田中さんは、「他人とすぐにコミュニケーションが取れて、しっかりと発言できるスキルは、会社に入ってからも必要なこと」とコメント。そのために大事なのは、“OPENとSHARE”。「自分の本心や思いを公開(OPEN)し、他人と時間や考えを共有(SHARE)していく力が、就活や社会生活で役立っていく」と話してくれました。
ヘアメイク講座は、メイクのテクニックではなく、初めて会う相手に与える“顔”の印象についての解説でした。<まずは自分の顔の特徴を知るところから始めないといけない>というお話は、これまで考えたこともなかったのですごくタメになりました。また実際の具体例を、写真を挙げながら解説してくださったので、とてもわかりやすかったです。
約6時間かけて、いくつものブースやセミナーを体験した2人。最後に、この日一日の感想をうかがいました。
内山さん:私はまだ大学2年ということもあり、“就活は先の話”というイメージを持ってました。実際、今日もこうしたインターンシップイベントがどのようなものなのかも、わからない状況で参加したんです(笑)。
滝沢さん:私も初めて参加したときは、“どんな感じなんだろう…?”ってドキドキしてました。でも、いざ参加してみるとイメージ変わりますよね?
内山さん:そうなんです! ですから、会場の雰囲気を経験できただけでも良かったなって思います。滝沢さんは、2年前に体験されているんですよね? そのときはどうでしたか?
滝沢さん:当時は就きたい仕事に対して漠然としたイメージを持っているだけだったので、興味のある企業のブースを回っては、「ひとつも情報を聞き漏らさないぞ!」って必死だった気がする(笑)。でも今回は、研究職に就きたいという目標が見えているから、その視点で冷静にいろんなお話を聞くことができましたね。
内山さん:私も今日、いろんな企業の方のお話を聞いて、就活の考え方が変わりました。興味がある業界に対して、魅力的な部分だけじゃなく、その企業がどのような先を見据えているのかも、しっかり考えないとダメなんですよね。
滝沢さん:それに見え方も変わってきますよね。「シチズン・システムズ」さんは精密機器を製造されている企業なので、生物系の研究をしている自分にとっては、あまり繋がりのない業種だなと思っていたんです。でも、「健康器具を作る上で、そうした知識もとても役立ちます」と話してくださって。そうした情報も、対話の中から出てきたものなので、実際に直接お話ししてみないとわからないことがたくさんあるんだなって感じましたね。
内山さん:私はまだ、大学でどの研究室に入るか決めていないんですが、こうしていろんな企業の話を聞くことで、将来自分が目指したいものが少しずつ見えてきた気がして。その意味でも、学年に関係なく、早いうちからインターンシップイベントに参加することは、とても有意義なことなんだと感じました。
滝沢さん:また、企業ブースだけでなく、ヘアメイク講座やコミュニケーション克服講座などに参加できたのもよかったです。どうしても就活となると、仕事のことだけに気持ちがいってしまいますが、社会人になるために必要なことも学ぶことができましたね。
内山さん:あと最後の、企業の方々を交えてのソーシャルパーティも、いい経験になりましたね。いろんな企業を回ったあとに開催されるので、聞きそびれてしまったことや、いろんな知識が増えた上でお話ができて、とても充実した時間を過ごすことができました。それに多くの方に声をかける度胸もついたので(笑)、次からのこうしたインターンシップイベントでは、最初から積極的に質問ができそうです!
「企業ブースだけじゃなく、コミュニケーション講座など、就活に関するさまざまなことを一日で体験できて、とても充実した時間を過ごすことができました」(滝沢さん)
「これから始まる就活前に、ただ雰囲気を味わうだけでも自分の経験になると思いますし、目的をしっかり持って参加すると、よりためになる場だと実感しました」(内山さん)
次回は、2月4日(日)東京ビッグサイトにて、機械、電気・電子、情報系の学生を対象としたインターンシップ&仕事研究イベントが開催されます。当日は国内最大級となる約130社の企業が一堂に会し、インターンシップ情報や企業情報を提供していただけるだけでなく、現在、技術職や研究・開発職、そのほかの現場で活躍する現役のエンジニアの皆さんと直接お話しができるセミナーやイベントが満載。また、メイクアップ講座や就活ノウハウ講座も開催されるので、この一日で就活へのイメージがつかめるチャンスです。リケジョの皆さんは、ぜひご参加ください!
https://job.career-tasu.jp/2019/event/detail/42/
http://www.disc.co.jp/