img1

*東京都に自生する野生植物を絶滅から守る仕事をしています

小笠原諸島や伊豆諸島などを含む東京都には4323種の植物があり、その約4分の1にあたる1200種が絶滅の危機に瀕しています。
私は 東京都に自生する野生植物を絶滅から守る仕事 をしています。
各地で自然保護活動をされている方々への支援を始め、現地に行って植物の調査をしたり、採取してきた種を育て園内の見本園に展示したりしています。
他にも都民のみなさんへの情報発信や、小学生の総合学習の授業など環境教育にも力を入れています。

*子どものころから自然を守る仕事に就きたいと考えていました

子どものころから人の役に立つ仕事、特に動物や植物が好きだったので、漠然と自然を守る仕事に就きたいと考えていました。
大学では農業科学のほか、地域問題、途上国での開発問題など国際協力について学びました。その後、大学院では増えすぎた野生のシカの数をどうやって適正な数にしていくか、個体数マネジメントについて行政や研究者と一緒に研究しました。
学生生活のかたわら中近東を始めとする海外30カ国程度をバックパッカーとして旅をしました。自然公園や開発によって自然が破壊された地域を訪れる経験をしたことで、卒業後は環境教育に取り組むNGOなどで自然保護官として働きたいとも思いましたが、大きな事業を行うためには行政の理解と支援が欠かせないと気づき、支援する立場になりたいと考えました
また東京は世界でも有数の人口密集地であり資源の大量消費地でもあるので、ここでたくさんの人に環境教育をすることに大きな意義があるとも感じました。

*100年後の東京を変えられたらいいな

研究時代に訓練できた実際にある課題に対し、どのような手段を用いて解決していったらいいかという考え方が社会人になった今、とても役立っています。
仕事を通じ多くの人の心に植物を守るという種を植えつけて、100年後の東京を変えられたらいいなと思っています。
(文=十倉和美 写真=神谷美寛)