*国立公園の保護活動とPRが私の仕事です
環境技官として環境省に入省したのが2006年。
九州地方環境事務所や群馬、福島、新潟、栃木の4県にまたがる尾瀬国立公園などでレンジャー(自然保護官)の業務を行った後、今は本省で国立公園課の職に就いています。
現在、国立公園は3月に新たに加わる沖縄県の慶良間諸島国立公園を含め、全国に31ヵ所あります。それらの保護や施設の整備、規制に関する許認可を現地で行うのがレンジャーの主な仕事。
一方、そこでの経験を活かし、全国の国立公園の新たな施策を考えたり、公園の魅力を多くの人に伝えていくことが、今の仕事になります。
*研究よりもその内容を社会に還元できる仕事を志し、レンジャーに
自然を勉強したいと思ったのは中3のときでした。海外での森林破壊の様子をテレビで見て衝撃を受けたんです。
また、昔から里山に触れる機会が多かったことも原体験としてあったのかもしれません。
とはいえ、自然に関われる仕事というのは意外と限られています。
もちろん研究職や学芸員といったいくつかの道がありますが、私はやはり現場主義でして(笑)。
研究よりも自然の不思議さや面白さを人に伝えたり、研究内容を社会に還元できる仕事がしたかったのです。そこで、選んだのがレンジャーの仕事でした。
*自然を保護することは近隣住民の幸せにもつながる
公務員のいいところは、現地の方たちの声を汲み取り、それを直接、国の政策として反映できること。
また国立公園は環境資源でもあるので、自然を保護することは近くに住む方の幸せにもつながる。そこに強いやりがいを感じています。
ただ、日本はまだ海外に比べ国立公園がそれほどブランド化されていないのも事実ですので、これまで以上に国立公園の素晴らしさを伝えていきたいですね。
(文=倉田モトキ 写真=神谷美寛)