Q. 解剖は慣れるものか？

A. 慣れます。でも、慣れる＝平気になる、というわけではありません。

解剖＝生きている動物にメスを入れる、の場合。
とまどったり、もたもたしていたら、その分動物を苦しめることになるかもしれません。
最初は精神的に疲れますし、すごく緊張しますが、慣れたら手際よくできるようになります。
でも、作業に慣れても、動物の命を奪うことが平気になる訳ではありません。平気になる必要はありません。平気にならないでほしいものです。

解剖＝実習等のために用意されたすでに死んでいる動物を相手にする、の場合
勉強するために用意された動物から目を背けるのは、食べ物を粗末にするのと一緒、
と考えたら、動物に感謝して、この死を無駄にせずに精一杯学ぼう、という気持ちになるものです。

いざ、動物の前に立ったら、苦手なんて言ってられません。
冷静に考えたら、きちんと向き合うことができると思います。



Q. 解剖や昆虫が平気でなければ、生物の先生になれないのか？

A. 資格は得られます。でも、それでよいかどうかは…

大学によって教員資格を得るための必修の授業の内容は異なりますが、
教員になるには解剖実習を受けなければならない、昆虫に関する授業を受けなければならない、という決まりはないと思います。
でも、生物の先生になったら、臓器のことや昆虫のことを生徒に教えるんですよね？
自分が近寄らないようにしている事柄を他人に教えるのは、技術的にも精神的にもちょっと難しいのではないでしょうか？

私も虫はそんなに好きでないのですが、昔に比べたらだいぶ平気になってきました。
克服方法1
屋内で虫に遭遇すると気持ち悪く感じますが、自分が外に出て行って自然の中の虫を見ると、なんだか優しい気持ちになれて、触ったり写真に撮ったりしたくなりますよ。
克服方法2
友人が目を輝かせて昆虫の研究をしているのを見ていたら、気持ち悪いなんて言えなくなりました。
どんな仕組みで触角を使ってるんだろう、どんな仕組みで足を動かしているんだろう、などと科学的な目で冷静に見つめてみると、鳥肌が立つことはないと思います。

こんにちは。私は今は研究者を目指していますが、
高校の生物の先生がとても熱心でいい先生で、一時期は高校の先生になる事も考えたことがありました。

私は昆虫は比較的平気な方ですが、解剖はやっぱり苦手でした。
お肉にするために余った牛の目玉を解剖するのにも怖いし、悪い気がするのに、ましてや生きているマウスをその場で殺して解剖した時には
本当に罪悪感でいっぱいでした。
ただ、技術的、視覚的な観点から言うと回数をこなせば誰でも慣れるものだと思います。

でも、ロビンさんもおっしゃるように精神的に平気になるのとはまた別の話で、私も平気にはなって欲しくないと思います。
私達が解剖を怖いと思ったり、罪悪感を感じるのはある意味ごく自然な感情なのではないでしょうか。だってそうでなかったら、平気で生き物を殺してしまうかもしれないから。だから、解剖が苦手と言うあなたの思いを否定する必要は無いと思います。

でも、私達が恩恵を受けている医学や生物学の発展のためには、解剖は必要な事だったはずですよね。私達が学ぶために犠牲になる生き物に感謝し、その命を無駄にしないために解剖の技術もを学ぶ必要はあるのだと考えたら、苦手意識を持ちながらでも乗り越えていけるのではないでしょうか。

昆虫に関してはやはり昆虫好きの友人に語ってもらうのがいいかもしれません。私にも昆虫や野生動物が好きな友人が居て、彼女がキラキラした目で話すのを聞いていたら、今まであまり得意でなかったクモなどでも少し身近に感じられるようになりました。

「理科の先生になりたい」という夢を持てる事は素敵な事だと思います。
その道筋には辛い事もあるだろうけれど、是非乗り越えて生徒に憧れられるような素敵な先生になってください。