脱水状態かも! そんな時、どうする?

こんにちは! お茶大リケジョ部のかすみです。

みなさん、食べることは好きですか?

前回の記事の冒頭でも同じことを質問しましたが、多くの人がこの質問に肯定的な反応を示すのではないでしょうか。

そんな、みんなさんが好き(と予想されるよう)な食品のヒミツを教えてもらえるイベント『〜農2の美味しい講義〜 食産業の最前線』の講演をレポートしているこのシリーズ。

前回は味わって体験する編として明治の講演をレポートしましたが、今回は実験して体験する編として大塚製薬工場の講演をレポートすることにします。

スポーツをして汗をかいた時、高熱が出て汗をかいた時、「脱水状態を抜け出さなければ!」と水分補給をするのはよくあることだと思います。

そんな時、みなさんはどんな飲料を水分補給のために飲みますか?

水? それともスポーツドリンク?

私は、そんなにたくさんの汗でなければポカリスエット(スポーツドリンク)を、たくさん汗をかいてちょっと気だるいと感じたらOS-1(経口補水液)を飲むようにしています。

今、さらっと書いてみましたが、みなさんは経口補水液ってご存知ですか?

夏になるとたまにOS-1のCMが流れていることもありますが、まだまだ「OS-1、経口補水液ってなに?」と思う方も多いかもしれませんよね。

実はこのポカリスエットとOS-1、(会社は違いますが)同じ大塚グループから出ているのです!

飲料という点ではポカリスエットもOS-1も同じだし、パッケージが青で若干見た目も似ているように見えなくもないこの2つの飲料。

汗をかいた時に飲まれているっぽいという点でもちょっと似ているけれど、OS-1(経口補水液)とは一体どういうもので、ポカリスエットとはどう違うのか?

そんな疑問を解決するヒントになるのが、この『経口補水液ってなに?』という講演でした。

ではさっそく、どんな講演だったのかレポートしていきたいと思います!

 

経口補水液ってなに?

前回の記事で、明治の講演では意外とファミリーが多かった!とレポートしましたが、今回レポートする大塚製薬工場の講演には、全くと言っていいほど小さいお子さんは見当たりませんでした(!)。

6社のうちダントツで会場の平均年齢(推定)の高かった大塚製薬工場の講演で机に用意されていたセットは写真のような感じでした。

ポカリスエットにOS-1とOS-1ゼリー、OS-1のリーフレットが入った袋と謎の試験紙というセット。

なんだか全体的に青いですね(笑)。

『経口補水液ってなに?』という講演タイトルから勝手に経口補水液の正体は講演の最後に暴かれるのではないかと思っていましたが、講演ではスタートして割とすぐにその正体がバラされていました。

写真のリーフレットにあるように、経口補水液とは水分と電解質を素早く補給できるように塩と糖分を一定の濃度に溶かした飲料です。

WHOが提唱している経口補水療法の考え方に基づいた飲料ということで、輸液の代わりになるということらいしいけれど……なんとなくわかったような、わからないような。

ポカリスエットでは輸液の代わりにならないことはなんとなく想像できるけれど、結局どう違うのかがわからない!

その違いをちょっとした実験により体験するのに役立つのが、セットの中にしれっとあった謎の試験紙です。

 

謎の試験紙を使っていざ実験!

どういう試験紙なのか予想できますか?

実はこれ、クロルイオン試験紙という塩素イオンをはかる試験紙なのです!

塩素イオンをはかれるということはどういうことを意味するのか、化学を勉強しているみなさんならなんとなくわかりますよね。

塩素イオンの濃度がわかるということは、それはつまり完全に一致するとは言えないまでも塩分濃度の大体の値がわかるということなのです!

セットに含まれている小さな紙コップにポカリスエットとOS-1をそれぞれ入れ、クロルイオン試験紙を浸してみます。

紙コップから試験紙を取り出してみると、写真のようなことになっていました!

左側の試験紙がOS-1に浸したもの、右側の試験紙がポカリスエットに浸したものです。

どこまで色が変わると濃度がどれくらい、という情報がないので値まではわかりませんが、OS-1の方が塩分濃度が高そうだ、ということがわかりますね!

なるほど、OS-1つまり経口補水液はポカリスエットつまりスポーツドリンクに比べて塩が多く含まれているんですね。

具体的なデータでOS-1(経口補水液)とポカリスエット(スポーツドリンク)を比較してみると以下の表のようになります。

mEq/Lについて:

ナトリウムNa・カリウムK・クロールClに関して、1mEq/L=1mmol/L

OS-1はポカリスエットよりも電解質が多く含まれていて、炭水化物つまり糖が少ないということがわかります。

経口補水液は経口補水療法の考え方に基づいて脱水状態時に不足している電解質を補給するためのものであるため、このようにスポーツドリンクよりも塩を多く溶かし、吸収速度をよくするために糖濃度を低くしているようです。

経口補水液とスポーツドリンクの違いがだいぶ見えてきて、経口補水液がどういうものであるかもだんだんわかってきましたね。

自分の体の状態・目的に応じてどちらを飲むかを選択することが重要そうですね!

 

美味しいと思うものは効果が期待できる

ところで、OS-1を飲んだことのある方で運動や高熱でかなりの汗をかいた時に「いつもは美味しくないなあと思うけど、なんだか今日は美味しく感じるぞ……?」と思ったことのある方はいませんか?

OS-1は軽度から中程度の脱水状態時に不足している水と電解質を素早く補給できる飲料ということで、汗をかなりかいた時に美味しく感じるということは、飲料の効果が期待出来る状態にあると言えます。

こういう考え方を漢方の世界(?)では『味証』というようで、先ほど言った通り美味しいと思うものは効果が期待できるとしています。

いつもはあまり美味しいと感じないOS-1が美味しく感じられると個人的になんとなく嬉しいなと思うのですが、OS-1がどういう飲料であるかを考えるとなんだか嬉しくない状況だなあなんて、講演を聞きながら考えていました(笑)。

 

次回もこのイベントをレポートしたいと思います! お楽しみに!