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Q:現在のお仕事について詳しく教えて下さい。

商品開発部に所属し、伊右衛門ブランドの開発と品質保証の仕事をしています。私は、2015年に新たに伊右衛門ブランドのランインナップに加わった『伊右衛門 ジャスミン』の開発に関わりました。サントリーでは中味の開発者、パッケージのデザイナー、ブランドマネージャーがチームとなって商品開発をしています。『伊右衛門 ジャスミン』は最初のアイデア出しから商品になるまで、1年以上はかかりました。
 
また伊右衛門は年に1回、商品のリニューアルを行います。その際も新商品の開発と同様に、チームとなって自分たちで課題を見つけ、より良くして育てるという仕事をしています。例えば、「お客様の嗜好が変わってきたので、今年は渋みをおさえた味わいにしようか?」「パッケージでも飲みやすさが伝わるものにしようよ」という感じで、話し合っていきます。最終的に「今年はこうしよう!」と決めたら、それぞれが持ち帰って、試作を繰り返しながら形にしていきます。このように新商品の開発とリニューアルがありますので、大体1年間で3~4商品を担当します。
 

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それ以外にも、「近い未来にこんな面白い商品を出せないのかな」というアイデアの提案を積極的に行っています。商品開発部ではコーヒー飲料の『ボス』シリーズ、ミネラルウォーターの『サントリー天然水』シリーズなど、いろんなブランドが集まってひとつのグループになっていますので、商品提案はお茶に限らずしています。
 
 
 

Q:商品開発の面白さや醍醐味を教えて下さい。

水やお茶などの甘くない飲み物は、お客様が無意識にとるものだと思っています。そこが炭酸飲料や果汁入りの飲料との違いだと考えています。「なぜ伊右衛門なら伊右衛門、他社さんなら他社さんの商品をなぜ選ぶのか?」。それが知りたくて、お茶の商品開発をやりたいと思いました。
 
私は入社以来、ずっとお茶の開発に携わってきましたが、ひとつの商品をつくるとき、「どういうものがお客さまの心に刺さるのか。おいしいと思ってくれるのか」と考え、茶葉を選び、その味を表現するのは簡単なことではありません。でも試行錯誤しながら、商品をつくっていくのが面白いところでもあります。
 
うれしい瞬間は、工場での初回製造に立ち会って、自分が開発に携わった商品がペットボトルに入ってできあがってくるのを見たときです。すごく感動しますね。あとは自分が手掛けた商品を飲んでいる人を街で見かけたとき。「あっ、飲んでいる!」と思ったりしますね。「なんで飲んでいるんですか?」と話しかけたくなるぐらいうれしいです(笑)。それが一番の醍醐味ですね。
 

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Q:高校時代はどんな生活を送っていましたか?

高校の文理選択で理系を選択し、当時は製薬に行こうと思っていました。医薬品はわかりやすく人の役に立てそうだなと思ったからです。私の両親は、父も母も理科の先生だったこともあり、理系科目は得意でしたしね。小さいときから夏休みの研究課題を父の指導のもとにやるという感じでしたので(笑)、理系に進むことは当たり前だと思っていました。
 
受験勉強は得意科目の理科と数学以外もまんべんなくやっていました。高校2年生までバスケットボール部の活動に力を入れていたこともあり、塾には行かずに、基本的には学校から与えられた教材をコツコツとこなしていました。あとは予習復習をやるぐらいです。部活動が終わってから塾に行き始めましたが、国公立の受験対策は学校の先生にお願いしてやってもらっていました。
 
バスケと勉強の両立法は、眠いときは潔く寝る(笑)。それでオンオフの切り替えがうまくできましたができました。
 

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(取材・文=川原田剛 写真=井上孝明)