バレンタインデーが間近にせまった2月12日(日)、講談社の最上階26Fを会場に、最新テクノロジーをオシャレに楽しむ、モノづくりイベントが開催されました。VR(仮想現実)研究の第一線で活躍する玉城絵美さんの講演やファッション誌ViViモデルの立花恵理さんが加わってのトークセッション、電子回路をペンで描いて光るカードをつくるワークショップなど盛りだくさんだったイベントの様子をご報告します!
 
共催:荏原製作所/後援:内閣府
 

荏原製作所とは…

荏原製作所はポンプやコンプレッサなどの風水力事業を中心とする
世界トップクラスの産業機械メーカーです。
荏原は、モノづくりの未来を担うエンジニアや研究者を目指す女性たちを応援しています。

  icon-angle-right www.ebara.co.jp/

 
 

170212yk0190

 
 
 

【第1部】キーノートスピーチ&トークセッション

 
第1部は、今をときめく研究者、玉城絵美さんの講演。VR(仮想現実)とAR(拡張現実)の分野で世界中から注目を集める玉城さんが、この研究を始めた意外な理由から最新研究まで、たっぷり語ってくれました。ViViモデルの立花恵理さんとのトークセッションでは、学生時代の授業の話も!
 
 
★ 玉城絵美さん登場!
 

170212yk0068

 
tamaki01

 
 
「私がやっている研究は“HCI(Human-Computer Interaction)”という、ヒトとコンピュータが豊かに共存していくための手法を考える情報科学の一分野です。そのなかでも私は“手”のHCIを研究しています」
 
tamaki02

 

「例えば、テレビ番組で芸人さんが遊園地のアトラクションなどを体験していると、目線カメラが目の代わりを、マイクが耳の代わりをして、私達も疑似体験できます。でも、触っているものは疑似体験できませんよね。手の代わりになるものはまだないからです。私はそれを実現したいと思っています」

 
170212yk0042

 
「実はこの研究を始めた理由は、私が完璧な“引きこもり”を夢見たからなんです。昔からあまり外に出たいと思うタイプではなくて、できることならずっと家に引きこもっていたいと思っていました。でも、外の世界には興味があるし、きっといろんなこともしたくなる。じゃあ、私の代わりに代理人にいろいろやってもらって疑似体験できたらいいじゃないか!と考えたのがきっかけです」

 
170212yk0061

 
「私の代理人になってもいいって人いますか?」と玉城さん。この日、玉城さんと参加者の意思疎通の手段のひとつとして配られていた、赤(YES)と青(NO)のシートで一人ひとりが意思表示。ここから共同研究者が生まれるかも!?
 
170212yk0051

 
h_PossessedHand

    
「“触れる”という触覚を疑似体験するというのは、脳と手との間でやりとりされる電気信号をハッキングするようなプロセスです。この電気信号を制御できると、私の動きをそのままゲームのキャラクターに実行させることはもちろん、ロボットに実行させることもでき、さらには、ほかの人に実行させることもできてしまいます。技術としてはその段階まできています!」
 
 
★ 立花恵理さんが加わってトークセッション
 

 
170212yk0119

 
玉城さん「さっき立花さん、私の代理人募集の問いかけに“やってもいい”の赤いシートをあげていましたよね?」
 
立花さん「はい。人に操られる経験ってこれまでないので、15分くらいならいいかなと」
 
玉城さん「本当にいいんですか(笑)」
 
立花さん「…はい(笑)。」
     「私はリケジョではないのですが、理系の勉強ってどうやって得意になるんですか?」

 
玉城さん「私は好きな科目ばっかりやっていました。数学は好きでしたが、生物や地学は苦手でしたよ。立花さんは何が得意でした?」
 
立花さん「英語と世界史が好きでした。暗記が得意で」
 
玉城さん「その2教科はモデルのお仕事に役立ちそうですね! そういえば、お茶の水女子大学では、毎日着ていく洋服がかぶらないようにする技術というものが研究されています」
 
立花さんどんなことも科学技術とつながるものなんですね」

 
170212yk0185

 
最後に、お二人から中高生へのアドバイスを!
 
立花さん「この年だから何をしなければ!とか、一般的な尺度に縛られる必要はありません。ぜひ、自由にやってください
 
玉城さん「恥ずかしがらずに欲求を認めて、欲求を明確化してみてください。明確になった欲望は実現します!

 
 
 

【第2部】光るサプライズカードのワークショップ

 
電子回路をペンで描いて、世界にひとつだけの光るカードをつくるワークショップ。リケジョの大先輩・司会の矢部さんから、半導体と電子回路についてのレクチャーから第2部がスタート。
 
「身近な“携帯電話”は科学技術の結晶。携帯電話の中には“半導体”が入っています。そしてこの半導体こそ“電子回路”の組み合わせです。世の中は回路でできているんです」
 
そんな世の中のあらゆるものを制御している電子回路をペン1本で描けてしまう、最先端テクノロジーを体験します!
 
 

170212yk0201

 
170212yk0210

 
ワークショップ指導してくれたのは、NPO法人CANVAS(キャンバス)の“くぼえり”こと窪村さんと、“みずはる”こと水沢さん。
 
170212yk0232

 
170212yk0244

 
170212yk0249

 
ボタン電池と、小さなLED照明を、“AgIC(エイジック)”という電気を通すインクが出るペンでつなぐと、光るんです! 電子回路を自由に描けるこの魔法のようなペンを使って、「光るサプライズカード」づくりに挑戦です。
 
170212yk0287

各グループに分かれて、作業開始。現役大学生の先輩リケジョがグループごとに制作をサポート。
 
170212yk0294

部活帰りに参加してくれたリケジョも、制服姿で電子回路づくり!
 
170212yk0301

作業が進むほどに皆の表情も真剣に! なかなかの難しさです。
 
170212yk0322

 
170212yk0307

 
170212yk0339

 
1時間40分の作業時間はあっという間に過ぎていき、個性あふれる「光るサプライズカード」が次々に出来上がりました!
 
 

【第3部】Rikejoカフェ交流会

 
現役大学生の先輩リケジョを囲んでの交流会。最後に、ひとり一人が「明日から私は○○します!」と“ミライリケジョ宣言”を発表しました。
 

170212yk0361

 
明日から私は…


  「“好き”を突き詰めます!」
  「身近なナゼを大切にします」
  「欲望を明確にします」
  「たくさん遊びます!」
  「今日より楽しく過ごします」

 
などなど“ミライリケジョ宣言”は十人十色! それがとってもステキでした♪
 

170212yk0351

交流会では、先輩リケジョに「やる気を出す方法を教えてほしい…」という難題をぶつける高校生も。
 
170212yk0348

居残りして電子回路づくりに奮闘する方も。
 
170212yk0344

そして、イベント終了後も玉城さん×中高生たちの熱いリケジョトークが繰り広げられていました!
 
 

【おまけ】大人たちの座談会

 

170212yk0375

 
今回のイベントは保護者も参加OK! 学生の方たちがワークショップをしている間、会場の傍らで、玉城さんが研究者として働く現実を紹介したり、本イベントをサポートしている荏原製作所の方たちが企業で働くリケジョの実態を教えてくれたり。こちらも盛りだくさんの内容でした。
 
 
 

参加者の声

 
中高生リケジョ
 
「玉城さんのお話がとても面白かった。自分が何かしたいのかが明確になったように感じます」
 
「ヒトがヒトを動かすなんて、不安もありますが、それを乗り越えれば人類は次のステップに進めるんだとワクワクしました」
 
「“自分の欲望は明確になると現実化する!”が、すごく興味深かったです」
 
「私は文系で立花さんと同じく英語と社会が好きなタイプ。共感できました」
 
「最先端技術を知ることができて嬉しかった。その上、自分で技術をつかったものづくりができて感動しました!」
 
「回路をペンで書けるなんて思ってもいなかった」
 
「友達には理系の子が少ないので、こんなにいることがわかり嬉しかったです」
 
「進路を考える上でとても参考になった。文理どちらに進むとしても両方の知識が必要だということがわかった」
 
「リケジョの先輩方に色々な話を聞けてとてもよかったです」
 
「次は化学系のイベントもぜひー!」

 
 
先輩リケジョ (ワークショップのサポートなどを担当)
 
「自分が中高生の時にはできなかった、こういう経験をできる参加者の皆さんが本当に羨ましい限りでした!」
 
「ワークショップでは、試行錯誤してつくっていて、個性が出ていて良かったです。皆のLEDが光ったので安心しました」
 
「中高生がとても興味を持って参加してくれていたこと、受験や大学、研究のことなどを積極的に質問してくれたことに驚きました」
 
「みんなキラキラしていて楽しそうでした。ワクワクしながらつくれるのっていいなって思いました」


 


なお、『ミライリケジョ ~モノづくりカフェ~2017』の模様は、Rikejoマガジンvol.45(2017年5月発行)にも掲載予定です。ゲストインタビューも掲載されていますので、ぜひ、そちらもチェックしてくださいね!
 
 

文=峯田亜季 写真=神谷美寛
 
提供/株式会社荏原製作所
     icon-angle-right www.ebara.co.jp/