理系高校生にとって憧れの舞台『科学の甲子園』全国大会! 今年も3月17日(金)から4日間、茨城県つくば市で開催されました。
第6回大会の参加校は過去最高の682校。47都道府県の代表チームが集結した全国大会には52名のリケジョが出場。大活躍しました!
全国の高校生が1校6~8人のチームを組んで、筆記&複数の実技競技(今回は3つ)に挑む、学校対抗の科学の競技会です。優勝チームはアメリカで開催される「サイエンス・オリンピアド」へ派遣されます。
「科学の甲子園」ウェブサイト:http://koushien.jst.go.jp/koushien/
頂上決戦の最終競技!「ばんえい競争inつくば」
一般公開&インターネットライブ中継された最終競技は、「ばんえい競争inつくば」。大会1カ月前にルールが公開され、あらかじめ作戦を練って臨めるとあって準備万端&気合いも十分! 制限時間の60分以内に「電源車」と「4足歩行ロボット」を作り上げ、その後、4mのコースを走らせるタイムレースに挑みました。
「ばんえい競争inつくば」のルール
〈製作するもの〉
①温度差によって発電するペルチェ素子を使った「電源車」
②クランク機構を使った「4足歩行ロボット」
→ ①②をつなげて、そりを引く競走馬のようなロボットを製作する。
②クランク機構を使った「4足歩行ロボット」
→ ①②をつなげて、そりを引く競走馬のようなロボットを製作する。
〈レース〉
平坦なAフィールド、途中に勾配3%の上り下り坂のあるBフィールド。2つの完走タイムを競う。上位8校がゴール前に急勾配のあるCフィールドで決勝レースを行う。
*レース制限時間は120秒。時間内にゴールできない場合は走行距離で得点加算
*レース制限時間は120秒。時間内にゴールできない場合は走行距離で得点加算
ロボット製作
ペルチェ素子を使った「電源車」&クランク機構を使った「4足歩行ロボット」を作り出せ!
8:50 競技がスタート! 大画面のカウンターがカウントダウンを開始。
各チーム一斉に、製作に取りかかりました。手際よく作業が進みます。
あらかじめ設計図を用意して臨むチームも!
「ペルチェ素子」は片面を加熱し、片面を冷却することで、その温度差によって発電する熱源素子。この温度差をどうコントロールするかで「電源車」の性能に差が出ます。
競技メンバー以外は観客席から、製作の行方を見守ります。
競技の傍ら、インターネットライブ中継では、注目校のメンバーがロボットの設計プランをプレゼン。初出場の高知工業高等専門学校では「男子が製作に熱中してしまうので、女子が時間内におさまるよう調整しました」と裏話も。
競技フロアでは製作が大詰め。「4足歩行ロボット」の足の動きを調整中。
乾電池を使ったお試し走行で、仕上がりを確認。うまく走るかな?
予選&決勝レース
ついにレース本番! 4mのフィールドを駆け抜けろ
各校のロボットが勢揃いし、いよいよレースです。
レースはまず「電源車」のスタンバイから。発熱剤、保冷剤、水を活用して「電源車」を完成させます。
「電源車」が整ったら、レースのスタート位置にそっと運んで…。
いざ、スタート!
可愛い顔で快走したのは三重県代表・三重県立伊勢高等学校のロボット!
岐阜県代表・岐阜県立岐阜高等学校のロボットは15~16秒という圧倒的な早さで駆け抜け、大歓声が!!
思わず頭を抱えてしまったり…
嬉しくて抱き合ったり…喜怒哀楽入り混じるレース本番。皆、それぞれに力を出し切りました!
レース結果
決勝レースを制したのは岐阜県代表・岐阜県立岐阜高等学校!
会場をどよめかせた俊足ロボットを作った岐阜高校の競技メンバー4人。決勝レースでは、紅一点の桐原さんの大きな声が響きました。「ロボットが走り出す時に電源車の温・冷が適温になるよう、保冷剤と発熱剤に水を入れる秒数を研究。そのタイミングを計るために大声で秒数をカウントしました!」
これが、岐阜高校のロボット。4足歩行ロボットの上下動を減らすために足の長さを可変にするなど、随所に工夫が詰まった秀作です。
決勝レースに進んだ秋田県代表・秋田県立秋田高等学校は3人が女子!
秋田高校のロボットは、多くの学校が使ったアルミ板をあえて使わない設計。「試作中にふざけ半分で使わないで作ってみたら、圧倒的に改善されました!大成功でした」
「仮に曲がって走っても止まらないよう、足の両脇にクッションになるギブスをつけておきました」というアイデアもお見事でした!
☆次回「イベントレポート 第2弾」では、『第6回 科学の甲子園 全国大会』の総合成績や表彰式をご報告!