img1

img2

 
 

Q:現在のお仕事に就くきっかけを教えて下さい。

街のケーキ屋さんやベーカリー、コンビニエンスストアやスーパーマーケットに並ぶパンや洋菓子、デザートなどで使われる業務用マーガリンの開発をしています。
 

151009ue026

 
 
私は、高校時代から、モノづくりのメーカーで人々の生活の中で身近な製品の開発に取り組みたいと思っていました。なかでも食品は老若男女問わず、広くみなさんの暮らしに貢献できるような仕事だと思いますので、食品業界を目指しました。
 
もちろん、食べ物が好きだということもありますし(笑)、母親がパン屋さんで働いていたことも影響していますね。小さいころからパンを食べる機会が多かったですし、お母さんの働いているパン屋さんに行って、パンをつくるところやパンをつくる機械なども間近に見ていたので、憧れや興味もありました。
 
 

Q:大学はどのようにして選び、どんな研究をしていましたか?

中学生のときから理系の科目が得意で、高校1年生の文理選択のときには迷わず理系に進みました。
大学で応用化学科に進んだのは、幅広く、いろんな事業にかかわることができると思ったからです。
実際に応用化学科の卒業生は化学、電子機器、自動車、食品、医薬品、化粧品など……さまざまな業界で活躍しています。
 
大学では応用生物化学という、ちょっとバイオ寄りの研究室で学びました。研究内容は、今年のノーベル医学生理学賞を受賞した大村智先生に少し似ています。大村先生は微生物由来の医薬系化合物の研究をしていましたが、私の所属していた研究室ではペプチドを化学合成ではなく、微生物由来の酵素を使ってできないか、という研究をしていました。アミノ酸がいくつか結合したものがペプチドなのですが、生理活性作用を持ち、医薬品や化粧品、食品など、さまざまなものにも使われているんですよ。
 
 
 

Q:高校時代の受験勉強はどのようにしていましたか?

中学1年生から始めたソフトテニス部を高校2年生まで続けて引退し、それから受験にシフトしました。それまでは基本的に定期テストの対策ぐらいしかしていませんでした。でも高3の春に受けた模試で、志望大学がほとんどDとかE判定。まったく手が届きませんでした。「このままじゃマズイ!」と思って、心を入れ替えて受験勉強に取り組みました。それこそ食事の時間をのぞいて、ほとんど朝から晩まで勉強していました。
 
通学やお風呂などの“隙間時間”も英語のリスニングをしたり、シャドーイングをしたりしていました。シャドーイングは英語を聞いて、それを発音するという勉強法ですが、私はお風呂場の近くまでラジカセを持ち込んで、湯船の中でぶつぶつ英語を喋っていましたね(笑)。
 
結局、志望大学のAやB判定が出たのは、12月の最後の模試でした。最初の模試は、すでに基礎ができている浪人生のほうが強くて、伸びしろのある現役生は徐々に成績が向上していくという傾向にあるようです。実際に私もそうでしたので、たとえ最初の模試の結果が悪かったとして、あきらめずに最後まで頑張ってほしいですね!
 

151009ue017

 
 
(取材・文=川原田剛 写真=井上孝明)