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Q:現在の仕事内容を教えて下さい。

アイコムは無線機器のグローバルメーカーで、国内だけでなく、アメリカ、ドイツ、スペイン、オーストラリア、台湾、ブラジル、カナダなど、世界中にオフィスがあります。アマチュア無線は世界でもトップメーカーとなり、業務用無線は国内では警備会社、消防、タクシー、またはコンサート会場やホテル、スーパーマーケットの駐車場などでスタッフの方が使っています。
 
無線機の中にはパソコンと同様にCPU(中央処理装置)が組み込まれ、プログラムに従って動いています。私の仕事は、そのソフトウェアを開発し、ちゃんと信号を受信し、スピーカーに音を出しているのかなどを解析することです。
 

Q:理系に興味を持ったきっかけは?

子どものころから、理系科目が得意でしたし、家電のように形に残るものを自分でつくってみたかったんです。
 
また父がSE(システムエンジニア)だったこともあり、中学生ぐらいからパソコンに触れる環境にありました。父とはミニ四駆が流行ったときに一緒に秋葉原にチューニングパーツを買いに行って、改造したこともありましたね(笑)。
 
そういう子ども時代だったので、機械やメカには親しみがありました。
 

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Q:高校時代に夢中になっていたことは?

何か変わったこと、人と違ったことがしたくて、カヌー部に入りました。練習はハードで、夏休みのほとんどを戸田競艇場のボート場や荒川で練習したり、大会に出場したりしていたので、あまり勉強していませんでしたね(笑)。得意な数学と物理だけは自らすすんで勉強していましたが、苦手な社会や生物などは先生に居残りさせられてやるという感じでした(笑)。
 
高校時代に「大学では機械か電気電子に進もう!」と決めたのは、子どものころから思い描いていたモノづくりの世界に携りたかったからですが、性格的にあまのじゃくなので(笑)、「女性が少ないところであえてチャレンジしてみよう!」という気持ちもあったからです。実際、大学では電気工学を学ぶことになり、私の学年には女性は4人しかいませんでしたが、すごく楽しかったですよ。
 
いまの会社の部署でも女性は私一人ですが、少ないからこそよかったことも多いです。名前や顔をすぐに覚えてくれますし、先輩たちもちゃんと面倒見てくれました。今、自分の好きなことをやれて、とても充実しています。
 

Q:読者への最後のメッセージをお願いします。

RikejoのホームページのQ&Aコーナーでよく高校生から「理系に行くのを悩んでいます」という質問が数多く寄せられていますが、悩まないで自分の道を進んでほしいと思っています。
 
それからもうひとつ、「この学部に入ったら、この仕事をしなければいけないんですか?」という質問もよくあります。例えば薬学部に入ったら、薬剤師にならないといけないとか。
 
でも学部や学科はあまり関係ないんです。私も大学から大学院に進学するときに、専攻を変えています。それでも結局、やりたいことをやれています。むしろ選択肢が広く、自由に職種を選べるのが理系のよさだと思いますよ。
 

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(取材・文=川原田剛 写真=井上孝明)