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*研究者のやりたいことが宇宙で実現できるかを検証していきます

国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」では宇宙飛行士がさまざまな分野の実験を行っていますが、私は生命科学全般の実験の支援業務を担当しています。
 
実験の内容を理解して、最適な実験結果が得られるように実験内容や条件、使う器具をアレンジしていきます。最近では、実験サンプルとしてキュウリの種をISSに運び、発芽における微小重力の影響を観察し、そのメカニズムを知る実験を担当しました。
 
ISSにいる宇宙飛行士と地上の私たち運用チームで連携し、適切なタイミングでの水分補給(水やり)操作や発芽状況の観察などを問題なく達成し、無事、実験サンプルを地上に帰還させ、研究者に引き渡すことができました。
 
 
 

*企画段階から宇宙で実験が形になっていくところにワクワク

もともと実験が好きだったので、企画段階から宇宙で実験が形になっていくところにワクワクします。
 
実験中は予想外のトラブルが起きることもあるので、JAXA筑波宇宙センターの管制室からチェックすることもしていますが、この時に自分が準備した器具がモニターから見えるとうれしくなります。
 
実験の内容によっては、宇宙と同時刻に同じ実験をして地球でのサンプルをとることもあります。
 
またロケットに実験器具を入れるためのスペース確保や器具の安全性を証明するために詳細な器具のリストや書類を作成したり、実験に必要な宇宙飛行士のスケジュールを確保するのも大事な仕事です。
 
私たちは生き物を扱っているので、ロケットが予定通りに打ち上がらない時には一から準備をやり直します。今年は実験サンプルの打ち上げ機会が多く、いくつもの実験準備を並行して進めています。
 
 
 

*興味さえあれば挑戦できる業界です

学生時代は薬学部に所属し、薬の構造や体の中の仕組みなど幅広い分野の勉強をしました。
 
卒業研究の時に免疫系の研究を行っている研究室を選択し、研究者になろうと思い、博士課程まで進みましたが、新しいことを突き詰めていくことが苦手だったので、幼い頃に興味があった宇宙分野に進みました。
 
この業界にはあらゆる理系出身者が集まっているので、興味さえあれば挑戦できます。
 

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