自らの経験をベースに、メンター活動ができる「先輩リケジョ」が全国に1万人いたら、きっと世の中を動かせる!そんな思いで始まった先輩リケジョ1万人育成計画。
2月から5回にわたり、先輩リケジョのみなさんやご興味のある方々にお集まりいただき、準備委員会として、意義や具体的な必要場面などをディスカッションしてきました。この計画は、リケジョのためはもちろんですが、我が国の技術と経済にイノベーションを起こす一助となりたいという高いミッションで活動しています。
具体的には、今までの先輩リケジョの活動をバージョンアップするように、各先輩リケジョのみなさんが自主的に、地域や学校、企業、大学のオープンキャンパスなどで、ワークショップや勉強会、相談活動などをするのをサポートすることを考えています。
第1回から第5回までの準備委員会の様子をレポートします。
2/26に、13名のご参加いただき、先輩リケジョの役割、メンター活動についてディスカッションしました。
Rikejoの今までの活動について振り返った後、リケジョに対するメンター活動について以下の3つのお題について、ワールドカフェ形式で、話し合いました。
*理系女子へのメンターの難しい点は?
*理系女子へのメンターが増えると、どんないいことが起きる?
例えば、理系女子としてメンターが必要な場面として、中高生の進路選択はもちろん、就職活動、修士から博士課程への進学、結婚・出産などの様々な転機など、色々必要な場面が挙げられました。
それ以外にも、会社に入ってから、仕事を普通に進める上でぶつかる一般的な困難についても、リケジョがマネジメントまで求められるようになった今において、リケジョはやっぱりリケジョに相談したいという思いがあるようで、様々なメンタリングが必要であるということが明らかになりました。
また、往々に理系女性が社内的に少ない場合も想定されるので、その場合においては、組織を超えたリケジョのネットワークの中で、メンタリング活動をすることも必要ではないかという声もありました。
また、今の時代、最短の労力で、効率的に最高のパフォーマンスを出すことが求められており、また、中高生などにおいてもその価値観を与えられている状況の中で、「失敗してもいいよ」「またやり直せばいいよ」という余裕を提供するのもメンター活動の一つではないかという議論にもなりました。
※ちなみに、吉本芸人さんで、理系ネタでサイエンスコミュニケーション活動などをされている黒ラブ教授さんにもご参加頂きました!
第2回目の議題は、「企業で、大学で、教育機関で先輩リケジョマスターの果たす役割」です。
より具体的に先輩リケジョがメンター活動をする場面を想起していただくため、参加者の皆さんにとって必要なメンター活動ということで、ご自身の体験を基に、5枚程度の紙芝居形式のプレゼンテーションを作成し、発表いただきました。
まずは、キーノートスピーチとして、リコー(株)、JSTのポストドクター・インターンシップ推進事業、J-WINにおけるリケジョ支援策などについて発表頂き、情報共有しました。
情報共有のあとは、いよいよプレゼンテーションの作成です。「えーできるかな」といいながらも、そこはささっと書き出し完璧にまとめるのはリケジョ!どの発表も、共感を呼ぶ納得の内容でした。
*進路に迷った時に、近所にいた理系の人からのアドバイスがポイントになった経験
*仕事を迷いながらも仕事を続けていくことで、そのうち後輩から慕われる先輩リケジョになっていたという経験
*人の相談を載ることを何気なくやっていたことが、実はよいメンター活動になっていた経験
などなど、多様なメンターが必要な場面が挙げられました。
ちなみに、はじめてリケジョの集まりに参加した(株)エンパブリックの男性スタッフTは、この空気感やリケジョのみなさんの堂々とした態度がすばらしいと絶賛。これがリケジョ自身も気づいていない、「リケジョの強み」「特徴」なのかもしれません。
第3回目は、「先輩リケジョマスターが目指すものとは? 求められることは?」ということで、まずは「リケジョって何」を明確にして、本活動の目的を明確にすることをしました。
「リケジョ」という言葉は必要ですか? をオープニングクエスチョンとしながら、サブテーマなどをみんなで考えながら、ディスカッションしていきました。
「リケジョ」という言葉については、今、様々なことが言われていますが、みなさんの意見はまずは属性として識別するために、また、著しく偏っていて少ない、実情がよく知られていないというという現状を支援するために必要という意見がほとんどでした。
また、リケジョをキーワードに、なぜ今リケジョが必要とされているのか? 何を期待されているのかについても議論しました。
リケジョの特徴は、チャレンジャブルであること、コミュニケーション能力があること、理系男性の中で違った視点でもの見られること、広く情報収集をする能力が高いことなどなどが挙げられました。
また、日本企業においてダイバーシティを推進していく上では、まずは、社内にいてその能力が十分活用されていないと思われるリケジョを活用することが、ダイバーシティ推進の一歩として貢献できる!とも。
現状の問題として、リケジョが美化されすぎているのではないかという議論にもなりました。もちろんリケジョとしての強みはあるものの、リケジョはスーパーという提示の仕方だけでは、自分とは関係ないこととして、中高生の進路選択のハードルになるし、また、リケジョ自身もプレッシャーになり生き辛くなるのではという話もありました。
今回のテーマは、本計画実現のための基盤作りについてです。 まずは、参加頂いた皆さんに、自分ならどんなリケジョのメンター活動のワークショップを企画するか?ということで、それぞれ考えて頂きました。
活動の柱は、
*ロールモデルやリケジョの生き方を伝えるのをパート
*最後にメンタリングをするパート
の3つの要素を含んだものを考えて頂きました。
工場見学あり、インターと連動した企画あり、電気電子女子を増やすための半だこてを使ったワークショップや、理系のお仕事紹介など、どれも魅力的な企画ばかりです。
次にこの企画を実施するならなにが不安か、ほしい情報はなにか、どんなスキルが必要かについて、付箋に書きだしていきました。
一概にメンタリングと言っても、短期をイメージする人もいれば、長期的なものをイメージする人など様々。また、メンターとメンティのマッチングや距離感に対する不安があることや、企画のブラッシュアップに関すること、単なるお悩み相談にならないためにはどうするかなど、たくさんの要素が抽出されました。
さらに、グルーピンクし、システムとして必要な要件としてまとめました。みなさんの力で、かなりの基盤に必要な要素が見つかり具体化に向けての第一歩となりました。
2月より話し合ってきた「先輩リケジョ1万人育成計画」。 5回にわたる話し合いの最終回が開催されました。
おかげさまで、今までの話し合いや、みなさんの経験などをお伺いして、メンターの必要性をますます認識しましたし、具体的なイメージや目指すところもかなりできてきました。
また、みなさんの何かやってみたいというアイデアなどもお伺いして、とてもいい企画も多くて、ぜひ実現させたいという思いも強くしました。
今回は、これまでの意見から本計画のための基盤案をまとめ、それに対してディスカッションしました。また、このメンター活動をやる上で、どんなデータがあるといいか、ということで、白書のテーマや内容などについても話し合いました。
まとめについては、
*情報の集積はどうやってやるのか。
*企業側としては、これを実践するメリットがみえないといけないのでは。
*先輩リケジョとしても、メンターとなることでメリットがあるということも必要。
などなど、するどいご意見も多数頂き、計画のさらなるブラッシュアップの必要性を痛感しました。
また、白書として知りたい情報としては、
*なぜ、理系をあきらめたのか(文系の方へ)
*なぜ、リケジョになったのですか
*現職業を決めた時期(中高生中に決めていた人は少ないはず→ だから、焦らなくていいよとメッセージをおくる)
*キャリアの不安なことって何?
*企業リケジョの具体的キャリア (ずっと研究職?)
などなど、色々なアイデアが出されました。
リケジョ白書、作りたいですよね!!
今回、延べ40名以上の方にご参加いただきディスカッションすることができました。ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
具体化に向けて、活動をつづけていきたいと思います。
先輩リケジョ1万人計画にご興味のある方は、参加してみたい方は事務局までご連絡下さい
(問い合わせ先)
http://www.rikejocafe.com/%E3%81%8A%E5%95%8F%E5%90%88%E3%82%8F%E3%81%9B/