7月13日(土)、エンパブリック根津スタジオにて、リケジョサポーターズカフェのイベント「理系を目指す女子中高生の進路相談を考える!~今だから言えるこんな情報がほしかった!こんなアドバイスがほしかった!~」が開催されました。
真夏の暑い中にも関わらず、9人の先輩リケジョ達が集まりました。
9人中2人は、なんと関西から応援に駆けつけてきてくれた先輩リケジョでした。後輩のために東京まで駆けつけて来てくれるなんで、リケジョのエネルギーは凄い!とあらためて思った次第でした。
根津スタジオに集まった先輩リケジョたちは、早速それぞれの研究内容を聞いたり話したり、大盛り上がり!専門用語もチラホラ飛び交う理系にとってはたまらない空間が、そこにはありました。
しかも、今回はリケジョに加えて、娘をリケジョにしたいお父さんも参加!親や男性も含めた多様な視点で、たくさんの話ができるイベントになりました。
それでは、イベントの内容を、下記に報告しましょう!
イベントは、まず先輩リケジョたちの自己紹介から始まりました。今回は、紙に自分を表すキーワードを書いた上での自己紹介!!○×ゲームのような9つのマスをつくり、その中に、今日読んで欲しい名前、イベントに参加した理由、研究内容、自分の趣味などを書いて、順番に自己紹介をしていきました。
その後、事務局より、リケジョについて、データを使いながら説明がありました。
説明によると、大学におけるリケジョは全学生のうち8.8%!やっぱり全体数は少ないですねぇ。
しかしながら、これからはリケジョの時代との説明も!政府も「女性の活躍は成長戦略のとっての中核」といっており、リケジョは日本のモノ作りにとって、欠かせない人材になるとの発表がありました。
そんな期待の星であるリケジョ、とくに中高生リケジョの皆様は、進路に対してどんなお悩みを持っているのでしょうか。
・研究職は女子には大変だと聞いて不安になってきた
・工学部と専門学校のどっちに進んだらいいの?
・親の意向と、自分の興味が異なり困っている
などなど、実に様々なお悩みがあるようです。……なんとかサポートしたいですね!
中高生リケジョのお悩みを共有した後は、先輩リケジョが自分の進路をどうやって決めてきたのか共有しました。
それぞれの生い立ち、進路を決める上でのポイントになったことを中心に、参加者それぞれのストーリーを語る形式で進めました。
まず、ポストイットに、自分の小中学生の頃、高校で文理選択をしたときや、大学の学部を決めたとき、そして就職先を選んだときなど、進路を考える上でポイントになったことを書き出しました。
次にそのポストイットを時系列に並べ、順番に自分のストーリーを話してもらう形式で話は進みました。
先輩リケジョたちの人生は波瀾万丈、面白いものばかり!!一見、優秀な人の集まりに見えますが、それぞれちゃんと失敗して、ちゃんと失敗を乗り越えて、日々頑張っている人たちでした。
そんなストーリーは、聞いていてとても共感し、勇気づけられるものでした。例を下記にまとめますね。
・部活でしごかれ、頑張る基礎ができた
・興味があるものは一通り全部体験して、最後はやっぱり理系に落ち着いた
・家族が旅行好きで、山や海によく出かけていた
・「博士の愛した数式」という本で理系に目覚めた
・小学校のときは理科に興味なかったけど、受験勉強で好きになった
・「Xファイル」というテレビ番組が理系に興味をもった原点
・たまたま、周りの理系の人たちに出会い、流れにのって進んだ
・小学校はむしろ国語が一番好きだったが、高校で数学がきれいだと思った
・たまたま、自分の好きな先生が大学の数学科だったので、数学科に進んだ
・数学で挫折したけど、やっぱり好きで、戻ってきた
・小学校時代は他人が怖かったので自然が友達だった
・父や母から理系を進められた。ただし、母のプレッシャーが強すぎた
・燃え尽きて浪人した。凄く悩んだが、頑張ったら何とかなった
・小学校から父により理系教育をうけた
・動物、植物の世話好きだった
・選択肢の拡がりを求めて、留学。様々な人との交流を通して生物に興味をもった
などなど、後輩リケジョの皆さんにも、ぜひ聞いて欲しい内容ばかりでしたよ!!
これは先輩リケジョと中高生リケジョが話しを出来る場も、もっとたくさん企画しなくちゃ!と思った事務局Nでした。
さて、それぞれのストーリーを聞いたあとは、2つのグループに別れて、中高生リケジョが直面している課題について対話を行いました。
先輩リケジョはここでも大盛り上がり!!日頃から考えていることだからでしょうが、話は途切れることなくドンドン進んでいきました。
事務局Nが参加したグループは、「学校の先生に科学に対する見識を拡げて欲しい」、「高校生が大学のことを正確に理解できる情報が提供されていない」など、たくさんの進路に対する課題が洗い出されていました。
他にも、次のような課題が挙げられていました。
・リケジョの親に教育を受けてもらう必要がある
・何でも人に聞いて答えを求める風潮がある
・メリットが明確に見えないと、努力をしない
・親や世間に、リケジョに対するへんな先入観がある
・学部の決定=仕事の決定だと思われている傾向がある
みなさんも思い当たる課題があるのではないでしょうか。
課題を出した後は、課題を解決するためのアイデアを話し合いました。
自分の好きな研究者から、大学を選べるような研究者総覧を作成しよう!だとか、WebサイトのリケジョQ&Aを冊子化して過去の資源を有効活用しよう!など、これまた沢山のアイデアが出て来ました。
他には次のようなアイデアが挙げられており、どれもやってみたいことばかりでした。
・学校の先生と先輩リケジョのガチンコトークバトル
・学校の垣根を超えて、自分の好きなテーマを調べてきて、発表しあう
その後、終了の時間になっても、話はヒートアップして収まらず(笑)そのため、時間を20分ほど延長して議論を続行しました。
サポーターズカフェ終了後のアンケートには、
・波瀾万丈の話が聞けたのが良かった
・高校の先生とトークバトルをしたい
・リケジョの親と交流イベントがしたい
などの意見が寄せられました。
会場が閉まるギリギリの時間までリケジョたちの話は続いており、その情熱は相当なものでした。
これからの時代、女性の力を活かすことは、日本社会にとって重要な課題になるでしょう。社会のためにも、現場で頑張っているリケジョのためにも、これからもリケジョを全力で応援していこうと思いました。 (中島)