社内ERGが主催したイベントでの写真(写真提供:マイクロンメモリ ジャパン)

最近、世界中で半導体が不足し、スマートフォンやパソコン、自動車、家電などの生産が滞っているというニュースを何度も見聞きしたと思います。半導体は「産業のコメ」と言われていますが、私たちの生活に欠かせないものなのです。

その半導体のグローバル企業が米国アイダホ州に本社を置くMicron(マイクロン)です。世界17ヵ国に拠点を持ち、さまざまな電子機器はもちろん、人工知能や5Gといった最先端分野に不可欠な半導体メモリを開発・製造しています。日本との関わりも深く、スマホなどのデータを一時的に保存するDRAMの世界最先端の工場を広島に所有しています。

マイクロンは多様な人材の採用を推進するとともに、「ダイバーシティ(多様性)、イコーリティ(公平性)&インクルージョン(包摂性)」(以下DEI)を尊重する企業文化の醸成に力を入れ、リケジョを積極的にサポートしていることでも知られています。

高校生や大学生向けに半導体技術講義やキャリアトークを実施したり、事業所見学に学生を招いたりして、科学技術への関心を高める取り組みを継続しているほか、2021年からはマイクロン財団を通じて、理工系分野を専攻する広島大学の女性大学院生を対象とした奨学金の支給を行っています。

半導体メモリというと、電気・電子、機械、材料系などの特定分野を学んだ人材が活躍しているイメージを持つ方が多いかもしれません。マイクロンでは上記の特定分野以外の、化学、物理、数学、情報、生物、農学など、理系の幅広い学部で学んだ先輩リケジョもたくさん活躍しています。

マイクロンで働く先輩リケジョはどんな環境で、どんな仕事をしているのか? 次回の記事では実際に仕事をしている人の声を掘り下げてお届けする予定です。まずは世界をリードする半導体メモリ企業をのぞいてみましょう!

数字で見るマイクロン
DEI:Diversity, Equality and Inclusion

ポテトで有名なアイダホで創業
1978年

マイクロンは1978年、アメリカ・アイダホ州の州都ボイジーの歯医者の地下室で創業されました。当初は社員4名の半導体製品の設計会社でしたが、現在は世界17ヵ国に事務所や工場を持つグローバル企業に成長しています。マイクロンが製造するDRAM、NAND、NORと呼ばれるメモリは、あらゆるところで使用されています。スマートフォンやコンピュータはもちろんですが、家電、自動車、医療機器、データセンター、そして人工知能や5Gといった最先端分野など、多岐にわたり、世界の人々の豊かな暮らしの実現と社会の発展に貢献しています。

世界
第4位
の半導体企業

マイクロンは革新的なメモリおよびストレージ製品を提供する世界第4位の半導体企業です。前述の通り、世界17ヵ国に拠点を持ち、さまざまな電子機器や、人工知能や5Gといった最先端分野に不可欠な半導体メモリを開発・製造しています。マイクロンが製造する半導体メモリの大半は企業向けに提供されていますが、一般の消費者向けにCrucial(クルーシャル)というブランド名で自作パソコン用やゲーミングパソコン用のストレージやメモリも提供されており、その確かな品質で世界中のユーザーから高い評価を得ています。

多様なチームメンバー
43,000人

1978年の創業時に社員4名だったマイクロンは、今では世界中で4万3000人以上の従業員を擁する大企業へと成長しています。その成長の源になっているのはチームメンバーの多様性です。マイクロンの社長兼CEOのサンジェイ・メロートラは「さまざまな文化、経験や視点、豊富なスキルを持ったメンバーが活き活きと活躍できる環境を構築することこそが、企業のパワーの源であり、国際的な競争を勝ち抜く上での要となる」と語っており、DEIの浸透をグローバルに促進しています。

記録的な売り上げを達成
277億1000万ドル(約3兆1400億円)

スマートフォンやパソコンの普及と通信技術の進化によって、ストリーミングで音楽や動画などを楽しんだり、インターネットを通じてショッピングやゲームをしたり、オンライン授業も当たり前になっています。今、私たちはさまざまな場面で情報とつながりながら暮らしていますが、それを可能にしているのは半導体なのです。コロナ禍でも半導体の市場は堅実に成長し、マイクロンの2021年度の売上高は前年比29.2%増の277億1000万ドル(約3兆1400億円)を記録しました。今後も人工知能や仮想現実空間(メタバース)、自動運転などが本格的に普及し、半導体の需要はますます拡大すると予想されています。

日本拠点の従業員数
4300人

マイクロンジャパンは広島、橋本(神奈川県相模原市)、東京、大阪に合計5つの拠点を有しており、約4300人のチームメンバーが各拠点で活躍しています。広島はマイクロンの日本における最大の拠点で、技術開発や最先端のメモリの製造を行っています。橋本ではメモリの技術開発や研究開発を行っています。東京はカスタマーラボや営業、管理部門やマーケティングの拠点となっています。

働きがいのある会社
20位

マイクロンはチームメンバーが常に自身の能力を最大限に発揮することのできる環境づくりに注力しています。世界約60ヵ国で働きがいに関する調査を実施している『Great Place to Work(GPTW)』が発表した“2021年度版日本における「働きがいのある会社」ランキング”の大規模部門で、マイクロンジャパンが第20位に選ばれました。この調査は働く人へのアンケート結果などから評価されるものですが、半導体企業としては唯一のランクインでした。GPTWの調査では「福利厚生・メリットが充実している」「報酬に対する納得感が高い」「利益が公正に分配されている」という点が高く評価されています。

※参照 https://hatarakigai.info/ranking/certified_companies/1001_362.html

新規採用の女性の割合
43%

日本では一般的に、マネージメントや技術・製造部門に携わる女性が少ないことが課題となっていますが、マイクロンでは様々な視点や経験、価値観を尊重しており、多様な人材の採用に注力しています。マイクロンジャパンでは2020年10月と2021年4月に入社した新卒者約230名のうち43%が女性エンジニアです。女性従業員の増加率は過去3年間平均で20%を達成しています。マイクロンでは今後の成長に多様な人材の採用は欠かせないと認識しており、女性や多様なバックグランドを持つメンバーの採用をさらに加速させています。

マイクロンの女性エンジニアの活躍と貢献を紹介したビデオ(日本語字幕選択可能)

過去3年の間に日本で最大級の投資を実施
70億ドル(約8000億円)

マイクロンの広島工場(広島県東広島市)は日本最大の拠点であると同時に、マイクロンの最先端のDRAM技術開発を担う重要な拠点になっています。マイクロンは過去3年間にわたってクリーンルームの拡充、製造および研究開発の設備を強化するために、日本における海外直接投資の中でも最大級の70億ドル(約8000億円)を投資しています。2022年も半導体の市況は好調が持続し、20%以上の伸びが予測されています。今後も増えていく半導体の需要に応えるために、2021年10月、マイクロンは今後10年の間に米国や日本も含む世界全体で1500億ドル(およそ17兆1300億円)以上を最先端のメモリ製造と研究開発に投資する計画も発表しました。

マイクロン広島工場

マイクロン広島工場(写真提供:マイクロンメモリ ジャパン)

世界を舞台に活躍するチャンス
2786件

マイクロンでは世界を舞台に活躍するチャンスが広がっています。グローバルな人材戦略の一環として、働く人のキャリア開発をサポートするためのプログラムInternal Job Opportunity Program(iJOP)を設けています。世界中で募集されている様々な求人に対してすべての従業員が応募できる仕組みで、このプログラムを通じて面接を受けて合格すると、国内外を問わず、その仕事に就くことができます。実際にこのプログラムを通して、日本人はもちろん、世界中の女性エンジニアがさまざまなフィールドで活躍しています。今現在、全世界で2786件の職種がiJOPで募集されています。

日本で活動しているERGの数
14グループ

マイクロンでは全世界的にERGの活動を支援、奨励しています。ERGとは、Employee Resource Groupの略で、日本語では「従業員リソースグループ」と訳されます。ERGをひとことで言えば有志による社内組織で、相互理解や多様性、平等性、インクルージョンの文化を育み分かち合いながら、お互いのキャリアや成長を支援するサークルのようなものです。マイクロンでは、各種ERG主催の勉強会やセミナーの開催、ボランティアや社会貢献活動が年間を通じて活発に行われています。女性や障がい者、外国人といった少数派のメンバーの理解を深め、受け入れられる環境を整えることも、ERGの大きな目的の一つです。世界各地の拠点でたくさんのERGが立ち上げられ、数多くのチームメンバーが参加しています。日本全体でも14のグループが活動し、チームメンバー同士の交流や絆の構築、誰もが自分らしく活躍できる働きやすい環境作りに貢献しています。

社内ERGが主催したイベントでの写真(写真提供:マイクロンメモリ ジャパン)

提供/マイクロンメモリ ジャパン株式会社
https://jp.micron.com/

(構成・文/川原田剛)