こんにちは! お茶大リケジョ部のかすみです。
個人的な話になりますが、つい先日、卒論提出&卒論(最終)発表が終わりました‼︎
卒論提出1週間前~卒論発表まではほとんど毎日研究室に通い、夜遅くまで残って卒論執筆やスライド作成などをしていましたが、そんな辛い日々ともおさらば!
提出した論文を手直ししたり学会に向けてさらに実験をしたりとやることはまだまだありますが、とりあえずゆっくり寝られる日々がまたやってきて嬉しいです(涙)。
そんな今日は、きっとみなさんいつかは持つであろう『卒論』ってどうやって書くの?という疑問のヒントになりそうな記事を書いてみたいと思います!
以前、中間発表までの研究の流れに関して記事は書いたので、今回は中間発表以降、卒論発表までの研究の流れを書いてみたいと思います。
さて、卒論提出1週間前からバタバタし始めるような、どう考えてもギリギリを攻めた私の研究は、どうだったのでしょうか?
研究の流れ
ではここで、研究室に配属されてから中間発表を行うまでの流れを振り返ってみましょう!
以前書いた記事で使った図になりますが、「理想」の流れは下の図のようになります!
大きく分けて、研究準備、テーマ決め、研究計画立て、事前研究となっていますね。
研究室に配属されるタイミングや研究室の方針によって様々ですが、早めに配属&テーマは自分で決めてOKという場合は、上の図のような流れで進めていくのではないかなと思います。
ではその続きである、中間発表以降、卒論発表までの「理想」の研究の流れを見てみましょう。
研究方法により上段の流れはかなり変わってくるとは思いますが、一例として私が行った被験者実験の場合の理想の流れを作成してみました。
(ちなみに、被験者実験とは他人に協力をお願いして、実験に参加してもらうという実験のことです。)
中間発表での先生からのコメントを踏まえるなどして、どんな実験をするかや実験の流れを考えることで実験計画を立て、実際に実験を行い、そのデータの分析・考察を行うという流れになります。
卒論執筆はその後でも可能といえば可能だと思いますが、先生に確認してもらうのに一気に送ると添削してくださる先生が大変なので、11月くらいからぼちぼち書き始め、提出の1~2週間前には完成している、というのが理想の流れになると思います。
実際は……やっぱり後ろ倒し
理想の流れはわかりましたが、実際はどうだったのでしょうか。
ちなみに、中間発表まではどんどん後ろ倒しされて下の図のようになっていました……。
どう見ても事前研究が圧縮されていて、全然足りていませんね。
そう、お察しの通り、その後もスケジュールはどんどん後ろ倒しになっていったのでした。
その結果、どのような流れになったかをご覧ください。
中間発表までに終わったはずの研究計画がまた出てきていますね。
実験や分析・考察をはじめ、いろいろなものがぎゅっと圧縮されている……。
この図をみれば、卒論提出1週間前からバタバタし始めて、夜遅くまで大学に残っていた理由がわかっていただけると思います。
とにかく時間が、足りませんでした‼︎
立て直しになってしまった『研究計画』
最後3か月にぎゅっと詰め込んだ研究となってしまいましたが、最終的には卒論は受理されたし、発表までになんとかまとめられたので、それはそれで良しとして、『研究計画』、『仮説』、『実験計画』、『実験』、『分析・考察』、『卒論執筆』と『発表資料作成』の6つについて、自分の反省点を踏まえながらそれぞれ細かく見ていきたいと思います。
まずは、『研究計画』(2度目)から!
中間発表までに研究計画は一度立てているはずなのに、なぜその後また登場しているの?と思っている人もいるかもしれませんが、中間発表での先生のコメントによっては、研究計画そのものを見直した方がいい場合もあります(そういう場合は少ないかもしれませんが)。
中間発表でされた質問に対して、最後の卒論発表でその回答を持っていくのがベターだと思いますが、私はその中間発表でされた質問に対してどう考えても答えることができないということになったので、質問を踏まえつつ研究の方法をもう一度考え直すことにしました。
1か月というかなり長い時間を使ってしまったわけですが、その後の研究が短い時間でもなんとか進められる程度にはっきりとした計画を立てることができたので、それはそれでよかったと思っています。
ちなみにその頃、研究室の他のメンバーはほとんど実験計画を立て終わり、実験を始めるかどうかというところでした。
みんなに遅れをとらないことに越したことはありませんが、仮に私のように遅れてしまったとしても、研究計画・実験計画は焦らずしっかり立てた方がいいと思います。
被験者実験の場合、毎日朝から晩まで頑張って実験を行えば、実験期間は短くても数は揃えることができるので‼︎
一番頭を使ったのは……『仮説』でした!
研究計画で、私の研究は仮説をしっかり立て、それを元に仮説を検証する実験を行うという計画を立てたので、『研究計画』の後に『仮説』というのがやってきます。
この仮説を立てるのにまた1か月という長い期間を使ってしまいましたが、仮説がしっかりしていないと実験ができないのでしょうがない。
しょっちゅう先生に連絡しては、話し合いの機会を設けてもらっていました。
仮説がきちんと立てられていないと、実験を行ったところで思うような結果が得られず、最終的に何もわからなかったなんてことになったら悲惨ですからね……。
この先生との話し合いで先生に言われた重要なことがあるので、皆さんにもお伝えしておきたいと思います。
何度目かの仮説についての話し合いの場で、私が立てた仮説に対して先生が「これって、こうじゃなくて、こういうことじゃないの?」と指摘してくださったときのこと。
仮説を立てているうちに、自分の仮説に自信が持てなくなっていた私は「確かに、そういうことかもしれません」と反論せずに頷いたのですが、その時先生が「自分の研究なんだから、自分の意見をはっきり持ちなさい」とおっしゃってくださいました。
当たり前のことといえば当たり前のことかもしれませんが、実際研究していると自分の考えていることは正しくないのではないか?という不安が結構生まれます。
その時に、先生という研究のプロが助言をくださると、それが自分の意見と異なっていても考えることなく「それはそうだ!」と受け入れてしまいたくなります。
でもその時に自分の考えを大切にして、「自分の意見とは違う意見だから、よく考えてみよう」と思うことが大切です。
ぜひ皆さんも、研究を行う際には自分の考えを大切にして、簡単にその考えを捨てないようにしてください!
やっぱりなんでも”計画”は大切
何度も先生と話し合うことで仮説を立てた私は、次の段階として、その仮説を検証するための実験を考え、そのような流れで実験を行うかなどの実験計画を立てました。
どのような実験を行うかにより実験計画を立てる際に重要になってくることは違ってくるとは思いますが、被験者実験の場合に共通して重要になってくるのは
・被験者(実験に参加してくれる人)の数はどれくらいにするか
・1人あたり(または1回あたり)の実験時間はどれくらいにするか
・(質問をする場合)誰もが同じ意味で捉えることができる言い回しか
・順序効果などの考慮(複数の実験を行う場合は、ランダムに行う)
でしょうか。忘れていることもあるかもしれませんが……。
もちろん、どんな実験を行うかも大切ですね!
やみくもに実験を行っても、欲しいデータが得られなければ何の意味もありません。
このように、いろいろなことに注意をして実験計画を立てると、次はいよいよ実験を行う段階に入ります!
実験計画をいかに丁寧に立てるかがこの実験のやりやすさに影響を及ぼすので、実験計画はとにかく大切な作業になります。
『実験』はやるだけでも大変
では、実験ではどのようなことを行うのでしょうか。
被験者実験の場合、被験者を集めるところから始まります。
被験者が集まれば、実験日時を調整していざ実験!となるわけですが、この被験者の募集がなかなか曲者です。
被験者が集まらない! 問題は、これに尽きます。
どのような分析を行うかによりますが、理系となると定量データが欲しい場合が多いと思います。
そうなると、被験者は数人では足りません。
数十人欲しいし、分析は大変になるかもしれませんが、できることなら3桁欲しい。
しかし、大学・研究室によるかもしれませんが、被験者の募集方法は基本的に知り合いに頼む・知り合いの知り合いを探すと言うのが基本です。
声をかけた人が実験に参加してくれる確率は、あまり高いとは言えません。
となると、どれくらいの人に声をかけることができるかがポイントになってきます。
これは個人的な意見ですが、サークルや部活などで、いろんな人と仲良くなっておくとこういうときに結構役に立ちます。
私はサークルのおかげで、被験者数30人と言う目標を達成することができました! 万歳!
その他の実験のポイントとなるのは、ある程度実験が終わるごとに、分析をとりあえずやってみるということです。
これは、実験がうまくできているかどうかや本当にその実験でいいかどうかの確認を行うために必要です。
私がそのことに気づいたのは全てのデータを集めた後に分析を行っている最中だったので、実際のところ途中で分析はやっていないのですが、途中で分析を行っていればより良いデータが得られたのに……と後悔しています。
みなさんの中に被験者実験をする人がいたら、ぜひ10人くらい終わるごとに簡単に分析をしてみてください……!
ここがなければ全てがパア!
さて、実験が終われば『分析・考察』という最後の段階に入ります。
私は仮説の検証ということで、仮説に重きを置いていたためこの段階はさらっと終わらせてしまいましたが、仮説が割とふわっとしている場合はこの分析と考察をいかに行うかが肝になってきます。
どのようなデータ処理を行うかで最終的に出てくる結果の形が変わってくるので、分析方法も大事だし、そこからどのようなことを読み取るかも大事になってきます。
この『分析・考察』は研究の成果となるわけですから、最も大事な部分で、私が仮説の時に行ったように先生との話し合いは欠かせません。
ちなみに、この段階で分析方法はどうしよう⁉︎なんて考えていると提出に間に合わないので、分析方法の勉強や検討は中間発表までに終わらせておきましょう……!
中身も大事。でもまとめるのも同じくらい大事です。
最後に、『卒論執筆』と『発表資料作成』についてお話ししたいと思います。
大学・学部・研究室の方針によりいろいろ異なることはあると思いますが、共通して大事だと思うことをお話しします。
まず卒論執筆についてですが、先生に添削してもらう場合、先生も無限に時間があるわけでも、不眠不休で働けるわけでもないので、とにかく書けるところは早い時期に書いて添削してもらいましょう……!
研究目的や研究背景などは中間発表をした時点で決まっている場合がほとんどだと思いますので、さっさと書いておくといいでしょう。
その後の自分的にも、気が楽でいいですよ。
それに伴い、フォーマットが決まっていない場合は、どのようなレイアウト・デザインにするかも考えておきましょう!
(私は1月末締め切りでしたが、)11月までくらいの余裕があるうちにやっておけば、綺麗な論文が書けて気分がいいです(笑)。
そして、卒論発表資料について。
特にスライドに関しては「パッと見て内容がわかるスライド」を目指しましょう……!
自分で「わかりやすいわ〜」と思って作ったスライドも、専門でもなければ大体どういうことをしているかも知らない人が見たらチンプンカンプンなんてことはよくあることです。
いつも「わかりにくい!」と言われている私が偉そうに言えることではありませんが、1枚のスライドに情報を詰め込み過ぎないとか、いらない情報は載せないとか、基本的なことを守りつつ見やすい&パッと見で何が書いてあるかわかるスライドを目指しましょう!
これに関連して、卒論発表会の最後に学科主任の先生がおっしゃってくれたプレゼンテーションに関してのコメントをみなさんにも伝えておきます。
プレゼンは、練習すれば誰でも上達します!
大学に入ると、プレゼンの機会は卒論発表に限らず色々なところでありますが、その1つ1つを適当にこなしてしまわずに、貴重な練習の機会だと思って頑張っていけば、最後の卒論発表で分かりやすいプレゼンをすることができ、研究内容を理解してもらえ、さらに高評価を得られるはずです!
私は「プレゼンなんて私にはできない……」ととりあえず終えることを目標にやってきましたが、その時その時でスライドを研究したり、発表の仕方を研究したりして頑張ればよかったなと後悔しています。
みなさんは、ぜひその練習の機会を逃さず、プレゼン上手になってほしいです!
私も修論発表でいいプレゼンができるように、これから練習していきたいと思います。
以上、中間発表から卒論発表までの研究の流れを、自分の反省点を踏まえつつお伝えしてみました。
みなさんが卒論を書く際には、ぜひ私の反省点を踏まえつつ、研究を頑張って欲しいと思います!