”スイッチバック”って知ってる?

こんにちは! お茶大リケジョ部のかすみです。

突然ですが、みなさん”スイッチバック”って聞いたことはありますか?

鉄道ファンであれば「そんなの知ってて当たり前じゃん〜」と思うかもしれませんが、きっとそうでない人は「聞いたことはあるけど、実は知らない……」「聞いたこともないぞ……?」という人もいるはず!

(ちなみに、私は鉄道ファンではないし、つい先日まで「”スイッチバック”って聞いたことはあるけど、実は知らない……」人でした。)

”スイッチバック”というのは、急勾配を伴う地形における折り返し式(ジグザグ運転を伴う)鉄道路線のことだそうで、急勾配の途中に停車場を設けるタイプ急勾配を緩和するためにジグザグに登るタイプの2つがあるそうです。

(どうやら、急勾配ではないところでも、方向転換のためにスイッチバックが使われることもあるらしい……。)

蒸気機関車が走っていた頃は、急勾配の区間での発停車が難しかったために勾配のない場所を作ってそこに停車場を設け、乗客の乗降や燃料補給などを行っていたそうですが、現在の電車ではその必要がなくなってきたり、土木技術の進歩によってトンネルが開通したりと、スイッチバックを擁する駅もだんだん減ってきているそう……。

というわけで、先日その全国でも数少ないと言われている”スイッチバック”方式を擁する駅に行ってきたので、レポートしたいと思います!

 

”スイッチバック”を擁する、姨捨駅

今回のレポートの舞台となるのは……

長野県千曲市にある、姨捨駅(おばすてえき)

先ほど紹介した2つのタイプのうち、勾配の途中に停車場を設けるタイプのスイッチバックを擁する駅です。

姨捨駅やスイッチバックについて調べていて、姨捨駅本線付近が急勾配であるという記述は特に見つからなかったのですが、やはり勾配の途中に駅を設けても発停車ができないため、平らな場所を設けてそこに駅を設置したみたいです。

文字で言われても分からないよ!という人のために簡単にイラストを描いてみました。

電車が山を登っていく様子です。

山を登っている電車は姨捨駅に停車するために、いったん本線から折り返し線に入ると、そのままバックで姨捨駅に入ります。

そして停車後、姨捨駅から本線に入ってさらに山を登ります。

下る場合はその逆で、本線からそのまま姨捨駅に入り、停車後に折り返し線にバックで入り、本線へと入り直します。

なかなか見ない方法なので、面白いですね〜。

ちなみに、駅の表示はこんなことになっています!

スイッチバックだからこその表現ですね。面白い〜!

 

私たちにとっては微々たるものでも……?

全然いい写真ではありませんが、姨捨駅のすぐ下の線路を撮った写真があるので見てみましょう。

ほとんど勾配があるようには見えませんが、この程度でも途中で停車はできなかったんですね……?

勾配があるかどうか、真相を確かめるために、実際の勾配を調べてみました。

Wikipediaによるとどうやら最大25‰の上り勾配だそうです。

ここで、知らない単位が出てきたのでちょっと詳しく見てみましょう。

この、%によく似た記号、パーミルやプロミル、千分率という1000分の1を1とする単位の記号だそうです。

%が百分率を表す記号で、1000は100よりも1つ0が多いことを考えれば、納得できるようなできないような……(笑)。

つまり、

1‰=0.1%

であり、

25‰=2.5%

です。

すなわち、勾配が25‰ということは、1000m水平方向に進むと25m鉛直方向に高くなるということになります。

ここで、実際に勾配25‰がどういうものなのか見てみましょう。

勾配と言っても微々たるものでは……?

実際にわかりやすい大きさで考えてみると、1m(=100cm)進むと2.5cm高くなるということなので、人間が歩く分には微々たる差でしかないように感じます。

それでも蒸気機関車にとっては停車するのがなかなか厳しい勾配だったんですね……!

 

実は、絶景でも有名!

さて、この姨捨駅、スイッチバックを擁する駅としても有名だそうですが、景色が素晴らしいことでも有名です。

なんと、日本三大車窓の一つとして数えられている善光寺平がホームから見下ろすことができ、日本夜景遺産としても登録されています!

今回は、スケジュールの都合で夜に訪れることはできませんでしたが、せっかくなのでホームからの絶景をご覧ください!

ちなみに、この景色の右側には棚田が見えます。

稲刈りの前に来ればもっとすごい景色だったかも?

夜景も気になるので、また行ってみたいと思います!