まだ始めておらず、焦っているお子さんがいるというお母さん・お父さん、ご安心ください。
今からでも間に合う自由研究はたくさんあります!
そこで今回は、理系のママ・パパに向けて「子どもに教えてあげたい」おすすめの自由研究をピックアップしてみました!
短期間でできる手軽な実験でも、取り組み方次第でとても有意義なものにすることができます。
必要に応じて保護者の方が解説してあげれば、お子さんの理解が深まるとともに、家族の思い出にもなるはず。
ご自身の専攻分野の知識を活かすもよし、興味をひかれたジャンルで調べながら進めるもよし。
得意の科学的思考を駆使して、ぜひお子さんの「なぜ? どうして?」の疑問に答えてあげてください。
「パパすごーい!」「ママ物知り~!」の歓声を受けながら、一緒に楽しんでいただけましたら幸いです。
No.1【色が変わる! カラフルおかゆづくり】
紫キャベツに含まれるアントシアニンの性質を利用して、おかゆの色を変化させる実験です。
アントシアニンは、酸性のものを加えると赤色っぽく、アルカリ性のものを加えると青緑色っぽくなるため、紫キャベツの茹で汁でつくったおかゆに酢やレモン汁、たまごの白身などを加えて色を変化させます。
pH(=水素イオンの濃度)によって色の濃さも変化するため、いろいろなもので試してみるといいでしょう。
変化後の色を写真に撮ってまとめれば、身近な食品の水素イオンの濃度を比べることができます。
小学校の理科の授業ではリトマス試験紙を使って水溶液の性質を調べる実験も行なわれるため、学校での勉強への理解も深まるはず。
単純に「酸性かアルカリ性か」というだけではなく濃度の違いがあることや、身近な食品の性質についても教えてあげられるといいですね。
<必要なもの>
・紫キャベツの茹で汁
・ごはん
・酢やレモン汁、たまごの白身などのいろいろな食品
<おおまかな手順>
1. 紫キャベツの茹で汁でおかゆをつくる
2. おかゆを小分けにし、それぞれ酢やレモン汁などを加えていく
No.2【カレー粉でお絵かき帳づくり】
こちらも、pHによって色が変化するしくみを使ったもの。
ターメリックに含まれるクルクミンがアルカリ性で赤色に変化する性質を活用し、カレー粉の水溶液で色づけた布や紙に、石けんで絵を描きます。酸性になると描いた絵が消えるため、レモン汁を使って色を戻すこともできます。
乾いてしばらくすると描いた絵が色あせていくため実物を学校に持っていくことは難しいかもしれませんが、写真に収めるなどしてまとめるといいでしょう。
<必要なもの>
・カレー粉を溶かしたスープ
・布や紙
・石けん
・レモン汁
<おおまかな手順>
1. カレー粉を溶かしたスープに布や紙を通して色をつける
2. 黄色に染まった布・紙に、石けんで絵を描く
3. レモン汁をかけて、描いた絵を消してみる
No.3【さわってびっくり! たまごがぷよぷよに変化する】
酢を使って、たまごの殻(≒炭酸カルシウム)を溶かす実験。
生たまごを数日間酢に浸けておくと、殻が溶けて膜だけのぷよぷよの状態になります。
溶けるまでの過程に発生した泡が、ただの空気ではなく二酸化炭素であることにも触れて、化学変化の基礎を学ぶことができます。
また、完成後には膜が酢の水分を含んでサイズが少し大きくなります。
この現象のしくみについても、たまごの構造と絡めて一緒に調べられるとさらに良いでしょう。
<必要なもの>
・生たまご
・酢
<おおまかな手順>
1. たまごが完全にかぶるくらいの酢にたまごを浸けて置いておく
2. 殻が溶けてなくなったらたまごを酢から取り出す
※実験に使ったたまごは食べないでください
No.4【キラキラきれいな塩の結晶づくり】
飽和食塩水にモールを浸けておくと、キラキラとした結晶が付着していきます。できあがった結晶をよく観察して、調味料の食塩と形を比べてみるなどしてみるといいでしょう。
時間に余裕があれば結晶を大きく成長させたり、食塩水の濃度を変えたりすれば、さらに実験への理解が深まります。結晶がすべて同じような形になるしくみについてもぜひ話してみてください。
<必要なもの>
・食塩(400g以上)
・水(1リットル)
・モール
・糸と割り箸
・タオル(食塩水をゆっくり冷ますため)
<おおまかな手順>
1. モールを好きな形に変形させ、割り箸の中央から糸でつるしておく
2. 鍋に水と塩を入れて沸騰させ、よくかき混ぜて溶かす
3. タオルを巻いた耐熱容器(コップのように縦長のものがよい)に食塩水を移す
4. モールを食塩水に浸けたまま数日間置く(底につかないように)
5. 結晶ができたら器から取り出し乾燥させる
No.5【夏の雨をつかまえよう】
さらさらの小麦粉に雨が触れると、雨粒の大きさに固まることを利用した実験。
小雨や夕立で土砂降りのときなど大きさを測って比べてみましょう。雨粒は、大きくなるほど空気抵抗を受けて平たく楕円形になります。身近な現象に隠れた物理現象として考えを深められるといいですね。
<必要なもの>
・小麦粉(ふるっておく)
・広めの器
・茶こし
<おおまかな手順>
1. 小麦粉が入った広めの器に雨を入れる(連続で入れすぎると雨粒どうしがくっついてしまうので注意)
2. 器を軽くゆすったあと乾かす
3. 茶こしを使って粒だけを取り出す
No.6【砂鉄を使って、目に見えないパワーをのぞき見】
砂場で集めた砂鉄の上に磁石を置き、磁力線を観察します。形や大きさの違う磁石で試したり、複数の磁石を一緒に置いたりして違いを比べてみましょう。また、地球自体も磁気を持っていることなどにも触れられれば、今後の学びにも活きるはずです。
<必要なもの>
・磁石
・ビニール袋
・砂鉄を入れておく容器
・透明な下敷き
<おおまかな手順>
1. ビニール袋に入れた磁石を使って砂鉄を集める
2. 磁石の上に透明な下敷きを置き、その上に砂鉄を乗せていく
No.7【ナスは浮く? 沈む? お野菜浮き沈みクイズ】
いろいろな野菜を水に入れて、浮かぶかどうか調べる実験。結果をクイズブックとしてまとめれば、学校でも楽しく発表できます。
「水に浮かぶ=水よりも密度が小さい」ということや、地中に埋まった根菜類は密度が大きく、ぶらさがるように成る野菜は密度が小さいなど、傾向にも気づかせてあげられると◎。
余裕があれば砂糖を溶かして、水の密度を変えた実験もしてみましょう。
<必要なもの>
・水
・透明な器
・いろいろな野菜
(・砂糖)
<おおまかな手順>
1. 器に水を入れておく
2. 切った野菜を水に入れて、浮くかどうか調べる
No.8【また食べられる! お野菜観察日記】
野菜の切れはしを水につけて、芽や葉が伸びるようすや位置を観察します。
野菜がもつ再生能力の力強さを通して、植物の分化全能性を身近に感じることができます。さまざまな種類の野菜で試してみましょう。
水につける位置を変えてみると、芽が出る場所には決まりがあることなどの発見もあるはず。
この実験をきっかけに、夏休み後も一緒にガーデニングをしたり、ハーブの挿し木をしたりすれば、植物への興味がさらに深まります。
<必要なもの>
・にんじん、大根、小ねぎなどの野菜の切れはし(葉や根っこがついていた部分)
・水
・器
<おおまかな手順>
1. 薄く水を張った器に野菜の切れはしをつける
2. 日の当たる場所に置いておく(1日1回水を交換する)
※野菜の種類によって成長スピードが異なるため、夏休み中に芽が出るかどうかギリギリになる可能性があります
No.9【パンに手形が……!? 食パン観察日記】
食パンにはえるカビを観察します。パンを手のひらで触っておくことで、手の形にカビがはえてくるのです。
できたら、温度や湿度などの条件も変えてみましょう。目に見えないほど小さな胞子が知らず知らずのうちに手についていることや、暖かくてじめじめした場所だと育ちやすいことに気づけるはず。
手洗いの大切さについても改めて学ぶことができますね。
<必要なもの>
・食パン
・密閉できる容器や袋
<おおまかな手順>
1. 食パンを手で触り、密閉容器に入れておく
2. カビがはえるまで経過を観察する
※カビがはえるまでに平均1週間ほどかかるため、夏休み明けに間に合うかどうかギリギリになる可能性があります
※カビが生えたパンは食べないでくださいね!
ご自身が子供の頃に行った実験もあったかもしれませんね。
身近なもので行う実験だからこそ、「科学現象は生活のいたるところで起きている!」ということをお子さんに実感してもらえると思います。親子で取り組む自由研究をきっかけに、お子さんの理科への興味がさらに広がっていくとうれしいですね。
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