店舗運営の責任者であるストアマネージャーをしています。利益が出ているか損をしていないかなど売り上げに関するハード面、アルバイトの管理などソフト面の両方を統括しています。タリーズはドリンクの他、パスタやかき氷などフードのラインナップが多いので、幅広い層のお客様が来店されます。
特に私が担当している横浜ランドマークタワー店は平日がビジネスのお客様、休日は観光のお客様がいらっしゃるので、混む時間帯や売れる商品が変わります。そのため、イベントがある日はキッズメニューを増やすなど工夫して商品を準備しなくてはいけません。
またアルバイトは学生から主婦の方まで年齢層が広いので、その方にあった接し方を心がけています。何気ない会話や表情の変化から「今日は元気がないな」とか、それぞれの方のコンディションを把握することも大事です。
国語と理科が好きでどちらを強みにするか迷いましたが、より面白いことをやってみたいと思い、理系に進みました。大学時代は人工甘味料・フェニルアラニンというアミノ酸の研究をしていました。研究が好きでしたし、すぐに結果が出なくても小さな進歩があればやりがいを感じられたので、仕事でも研究職に就こうと考えていました。
一方で、研究はひとりでパソコンや実験器具に向かって分析するという、自分との闘いの世界。そのことに自分の中でも迷いがあったのか、就活の最初のころはうまくいきませんでした。そこであらためて自分と向き合い、本当は何が合っているかを考えたときに浮かんだのが食に関わる接客業でした。学生時代からカフェでアルバイトをしていて、お客様と直接コミュニケーションできるところ、自分がつくったフードやドリンクを提供して喜んでもらえるところが好きだったからです。
当時をふり返ると「理系だから研究開発職」と、将来の幅を狭めている部分がありました。今の職場は理系出身者が少ないですが、就活中にシフトチェンジしたことで自分らしい仕事に就けたと満足しています。経費や人件費の計算が楽しくできるような数字に強いところは、理系出身ならではかもしれません。
研究で「原因、結果、考察」という考え方を身につけてきたので、お店でトラブルが起きたとき、感情的ではなく冷静にわかりやすく対処する方法を伝えられているかと思います。
社会に出た今の研究テーマは「人に教えること」かも
人を育てたいという思いがあるので、今後は新店のオープニングマネージャーや人事担当として新卒者の採用にも関わってみたいです。店舗でも、新人スタッフが教えたことを実践してくれていると「頑張っているな」と感じますし、もっとうまく教えるためにはどうすればいいか考える時間も好きです。
私にとって今の仕事での研究テーマは「人に教えること」なのかもしれません。
【リケジョブ・オフショット】
お肉好きな女友だちと一緒にお店を開拓するのがブームです! 写真は中目黒のホルモン焼きのお店です。好きな部位はハツです。美味しいものは幸せな気持ちにしてくれます♪
(『Rikejo』2017年9月号より。一部情報は取材時のものです)