鈴茂器工は1981年に世界で初めて寿司ロボットをつくった会社です。これまで、お寿司を握るには職人さんの技術が必要でした。でも、それだと人件費がかかりますし、今は人手不足の問題があります。そこで当社では誰が操作しても、同じ質、同じ味の酢飯が握れる機械を開発いたしました。現在は国内で約7割のシェア率を誇り、海外でも70ヵ国以上で利用していただいています。

またお寿司のみならず、コンビニエンスストアなどで販売しているおにぎりをビニール包装する機械や、牛丼やカレーの大手チェーン店でどんぶりやお皿にご飯を自動で盛りつける機械などもつくっています。

モスバーガーとライスバーガーの共同開発なども行っていますので、弊社の名前は知らなくても、きっと日常のどこかでみなさんの生活とつながりをもっていることと思います。

私はこの春に入社し、まずは研修で工場実習などを経験しました。その後、総務部の人事課に配属。現在は就活を行う大学生に向けての会社説明会のサポートなどをしています。人事課の勤務は私の希望でした。小さいころから食べることが大好きで(笑)、「食」に関係する仕事に就くのも夢でした。

最初は食品メーカーも考えたのですが、同じ会社で働く社員の方と多く接する仕事がしたいという思いがありました。また誰よりも幅広く自分の会社のことを知る職種は何かと考えたとき、人事の仕事がピッタリだと思ったんです。

農業を通して学んだ生産者と消費者の視点が生きています

大学では食料環境政策学科を選び、農業について学んでいました。この学科では文理融合型の教育をしており、具体的には、生産者と消費者の両方の目線で、これからの農業をどうしていけばいいのか、また後継者不足を解決するために何をすればいいのかなどを研究していました。

その他にも、ファームステイ研修では農家の方の家にお世話になり、実際に農作業の体験もしました。昔から自然が大好きだったこともあり、大学の授業はどれも楽しかったですね(笑)。

今はまだ入社したばかりで、先輩方に仕事の仕方を教えてもらう毎日です。でも、「美味しい〝食〟をみなさまのもとに届けること」「多くの方と関われる仕事」という私の夢をふたつ同時に叶えてくれる仕事に就いているので、毎日がとても楽しいです。

お寿司は日本人にとって身近なもので、かつ世界に誇れる食べ物です。今後も、そのお寿司業界の一端を担う鈴茂器工の製品を多くの方に知ってもらえるように頑張っていきたいと思います。

【リケジョブ・オフショット】

子どものころから料理が大好きで、今でも時間があると、いろんな調味料や素材を組み合わせて、オリジナルのレシピを考えたりしています。ちなみに得意料理はカルボナーラ。意外と奥が深いんですよ!

(『Rikejo』2017年9月号より。一部情報は取材時のものです)