ロッキード マーティンは、10月14日(金)、2016年国際航空宇宙展において、日本での新たなSTEM(科学・技術・工学・数学)教育プログラム「Girls’ Rocketry Challenge(ガールズ・ロケットリー・チャレンジ(女子ロケットチャレンジ))」の開始を発表しました。物理、数学その他の学科の基礎を楽しく協力しあいながら安全に学べるモデルロケットの実践を通じて、女子中高生のSTEMへの好奇心を刺激し、理工系キャリアに対する関心を喚起します。
プログラムに参加するのは、恵泉女学園中学・高等学校(東京都世田谷区)、山脇学園中学校・高等学校(東京都港区)、およびかえつ有明中・高等学校(東京都江東区)の3校17人の生徒。参加者はこれから6カ月間、モデルロケット4級ライセンスを取得し、オリジナルのモデルロケットを開発します。今年12月に開催される中高生のための学会「サイエンスキャッスル」での中間発表を経て、2017年5月(予定)には、JAXA筑波宇宙センターで開催されるモデルロケット全国大会に出場します。10月8日(土)にロッキード マーティンの日本オフィスで行われた任命式では、参加した2校に対して任命賞が授与されました。
ロッキード マーティンが日本でこのような教育プログラムを行うのは初めてのこと。米国、シンガポール、インドをはじめ世界各国で既に実施している幅広いSTEM教育プログラムで培った経験をもとに、日本においても、産業の発展を担う次世代の教育に取り組みます。ロッキード マーティンは過去5年間で総額7,000万米ドル近くを STEM教育に投資しており、また、社会貢献事業費の約半分はSTEM教育に向けられています。
STEM人材の育成はロッキード マーティンの重要な取り組みのひとつであり、これは日本の産業界とも共通の課題です。ロッキード マーティンは、この6カ月間のプログラムを通して女子生徒のSTEMへの関心を育むことで、次世代のイノベーター、探求者、発明家へと続く扉が開くことを期待しています。
「実機のロケット製作や宇宙探査は巨大なシステムのため、個人の役割は限られてしまいます。しかし、モデルロケット教育は、自分でロケットを設計して組み立て、結果を出して改良するなどを一人で短時間に実施すことができる教育です。この経験を積むことにより、自分の力で不可能を可能にできる自信とともに、将来、巨大なシステムのメンバーになったとき、全体の進行を考え、確実に成功へ導く能力を持つ人材となります。」
「ロッキード マーティンは過去数十年にわたり日本との近しい関係を築いてきました。Girls’ Rocketry Challengeを通して、日本社会との繋がりをさらに深められることを喜ばしく思います。STEM教育の発展には、産業と教育の密接なコラボレーションが不可欠です。パートナーの皆様との共同作業により、このプログラムを現実のものにすることを楽しみにしています。」
モデルロケットとは
モデルロケットは、火薬エンジンを使用して時速約180km で大空高く打ち上がる模型ロケットです。 世界では50 年以上の歴史があり、これまで5 億回を超える打ち上げで無事故です。火薬エンジン以外は 自由に作ることが可能で、安全な宇宙教育教材として世界的に親しまれています。本プログラムでは、 火薬で打ち上げるモデルロケット作りにチームを組んで挑戦します。日本でモデルロケットを打ち上げる場合、ライセンスの取得が必要で、参加者は日本モデルロケット協会が発行している従事者資格(=ライセンス)の4 級を取得し、全国大会に出場します。全国大会の先には世界大会も開催されており、プログラム終了後となりますが、各学校で継続的に挑戦を続けることが可能です。モデルロケット開発は、アメリカのSTEM 教育において広く取り入れられているプログラムで、日頃学生たちが学んでいる物理や数学などを活用して実践でき、かつ高い安全性も証明されている競技です。
日本モデルロケット協会
特定非営利活動法人日本モデルロケット協会は、1990 年当時禁止されていたモデルロケットを、日本でも打ち上げられるようにしたいという山田誠(現会長)の呼びかけによって設立されました。現在はロケット教室や自主安全講習会、ロケット競技会、展示会など、モデルロケットを通じた青少年の宇宙科学に対する啓蒙・育成を目的としています。
宇宙飛行士の山崎直子さんからの応援メッセージ
「ガールズ・ロケットリー・チャレンジに参加される皆さん。人を宇宙に運ぶ有人宇宙船も人工衛星を運ぶロケットも、様々な種類があります。皆さんがこれから挑戦するモデルロケットも正解は一つではありません。普段学校で学んでいる物理や数学などの知識と、皆さんの新しいアイディアを組み合わせて試行錯誤をしながら、是非最強のモデルロケットを作ってください。皆さんのものづくりがこれからの宇宙開発の第一歩になると思います。将来皆さんと一緒に宇宙開発ができることを私も楽しみにしています。応援しています!」
https://youtu.be/xHgDsvNuj3U