Q:なぜシステム生命科学科に入ったのですか?
もともと生物学的な分野に興味があったのですが、
受験勉強を通じて数学が好きになり、大学でも学びたいと思うようになりました。
そこから、将来はコンピュータを使う形で医療関係の仕事に携わりたいと考え、
ネットなどで情報を探すうちに、
この学科なら自分が学びたい分野が学べるうえ、
中学・高校の理系科目の教員免許も取れると知って志望しました。
システム生命科学は、情報技術を駆使して、
DNAやタンパク質などの生命情報や、脳波や心拍変動などの生体信号を捉え、
生命のシステムを追究する分野です。
これらを学ぶにあたっては、微分積分学や線形代数学などの計算力も必要になってきますが、
高校までの数学よりも格段に面白く、入学して良かったなと感じています。
Q:印象深かった授業について教えてください。
先生方がご自身の研究について講義される「システム生命科学総論」の授業です。
それぞれの専門分野で進めている
最先端の研究などを紹介してもらったことで、
システム生命科学のイメージが明確になりました。
実際に研究室も回ったのですが、
眼球運動に関する研究では、私自身も被験者に。
パッと見せられた写真に対し、どこからどう見るかというデータを取ったところ、
思いも寄らない視線の動かし方をしていて、驚きました。
眼の動き方が、脳がどう情報を処理しているかに直結すると考えれば、
眼球運動から心のメカニズムも見えてくるはず。
そこから脳の健康状態を診断する
技術を生みだそうとされていて、興味津々でした。
Q:今、興味のあるテーマは何ですか?
人間や動物の脳をコンピュータでシミュレーションすることです。
脳で起こっていることをスーパーコンピュータで再現しようとする研究は、
まだまだ発展途上。
それだけ脳の機能がすごいということです。
シミュレーション技術を駆使することで、
生命や生体が織り成すさまざまな現象を解明できれば、
医療や創薬への応用にも期待できます。
このように、多様な生命現象を、
確率的なネットワークシステムとして捉えようとする取り組みは、
想像を超えた内容で、とても刺激的。
自分の知らないことに触れるワクワク感に満ちています。
Q:これからの目標を教えてください。
今は、数学の教員免許を取って、大学院に進学しようと考えています。
コンピュータの技術も高めていきたいし、また海外にも行きたいです。
この夏休みにオーストラリアへ語学研修に行き、英語力が上がったので、
今度は協定大学での講義やディスカッションにも積極的に参加して、
専門分野についても学びたい。
そしてゆくゆくは、
脳の研究をして、
医療的な方面で役立てていきたいです。