東京大学のオープンキャンパスプログラムは8/7に開催されました。
東大チームは合計7名の参加です。長野からも参加してくれた人が二人も!
チューターさんは、東京大学2年生のKさんと、3年生の工学部化学システム工学科のSさんです。
まずは、エンパブリック根津スタジオにて、ガイダンスです。
それぞれ、自己紹介をした後、今日のオープンプログラムでどんなことが知りたいのか、見たいのか、先輩とお話したいのかといったことを発表し合いました。
東大志望といっても勉強ばかりしている子たちばかりではなくて、普段は、ブラスバンドや陸上などの部活に頑張っています。また、皆さん、志望学科は、農学部系、宇宙に興味がある、法学部と工学部とで迷っている、ロボットに興味があるといったように様々です。
特に、今回のオープンキャンパスでは、どんな研究をしているのか、また、大学の雰囲気や就職などについて知りたいとのことです。特に研究については、大学で、実際にどのように、どのような研究をしているのかといったことは、実際にみてみないと、中高生ではイメージしにくいようです。
ガイダンス終了後、いざ、オープンキャンパスに出発です。
根津スタジオから歩いていきます。暑い晴天の中、趣味のことなどでおしゃべりしながら盛り上がったりしつつ、Rikejo同士、あっという間に打ち解けていきます。
まずは、農学部の志望の子がいるということで、農学部キャンパスを散策します。外からもビニールハウスが見えるなど、農学部らしい雰囲気があります。
次に農学部キャンパスを出て、いよいよ本郷キャンパスの正門から入り、工学部へ行きます。
キャンパス内は既にオープンキャンパスに参加した高校生らしき人たちでいっぱいです東大工学部は、100年以上の歴史を誇るまさに我が国の産業を支えてきた学部です。東大の中でも規模も大きく、研究も多岐にわたっています。
工学部では、オープンキャンパスプログラムとして、模擬授業、テクノサイエンスカフェ、学生だんわ室、女子高校生向け説明会、学科・研究室見学、展示など様々なプログラムがありました。また、参加者には東大本郷キャンパスの地図入りクリアファイルを配っています。
まずは、工学部11号館などの校舎などを見て回ったのち、工学部計数工学科の満渕先生の「ブレインマシンインターフェイスシステム~生体の脳と機械系の融合」の模擬授業に参加してみました。
実際の授業のように大教室で、先生の説明するパワーポイントなどをみながら講義を受けます。先生の研究は、神経系の伝達が電気信号であることを利用して、例えば、目の見えない人の代わりにビデオで画像情報を読み取り脳へ、その情報を送ることで目が見えるようにする、逆に脳の信号を義手などに伝えるといったような生体と工学を連動された大変興味深いものです。テレビ紹介されたビデオ映像なども見せながら、説明してくださるのですが やや(というかかなり)高度なかつ容赦な講義で、少し高校生はびっくりしたようです。大学の講義の醍醐味を少し味わうことができたのではないでしょうか。情報処理という工学の分野が「生物」と結びついているというのは、高校で「生物」「物理」といったように分断されて勉強している高校生にとって、わからないながらも新鮮だったようです。
そうこうしているうちに昼食の時間です。予定では、安田講堂の下の食堂でランチということ
だったのですが、人であふれかえっておりやむなく断念。
サンドウィッチを買って工学部2号館の建物の中で食べることに。
2号館の建物は、歴史的価値のある古い校舎を壊すことなく、新しいものを建てるということで、
柱で支えられたような構造で建築されている不思議な建物です。
昼食の後は理学部へ移動です。理学部では、それぞれの学科で、講演会や展示、ラボツアーなどが開催されています。
ここではラボツアーに参加してみることにしました。参加者の希望で化学科ツアーの、小林・GSC研究室の「GSC環境にやさしい化学」、塩谷研究室の「金属イオンが開く超分子の世界」、大越研究室の「新しい機能を持った磁石の世界」プログラムに参加です。
小林研では小林先生が自ら、従来の有機溶媒に変わり「水」を活用できるようにした画期的な化学反応の方法について説明してくださいました。
また、塩谷研究室では、DNAに金属イオンを結合された物質について、大学院生が親切に説明してくださいます。研究好きで人のよさそうな人たち、あれが東大のリケメンだよということで、学生さんの雰囲気もわかったのではないでしょうか。女子は多いのか? 高校の化学はどうやって勉強するのかといった質問にも丁寧に答えてくださいました。
ちなみに高校化学は、あれは覚えるしかないですね~と、まずは我慢して勉強して、大学で楽しいことやりましょうということだそうです。
最後に、大越研では実際にラボ(実験室)に入れていただけました。有機溶媒などの実験をするときの換気システムであるドラフターが「ガー」と鳴っている中、この研究室で新たに開発された様々な磁性体(磁石)について説明してくださいました。実験用の機械についても説明してくださり、最も「研究室」の雰囲気に触れることができたのではないでしょうか。
最後に、工学部主催の「工学ガール」のパネルディスカッションに参加しました。工学ガールは工学部の数少ない女性学生や女性教員の皆さんが工学部の女子学生生活について語るというイベントです。
様々な専攻の工学部の女性がパネラーとなって、工学ガールの研究や生活について教えてくださいます。司会をされている熊田先生(工学部電気系工学の准教授)も工学部のご出身です。それぞれが、東大で研究をしていくことのよさなどをお話くださいます。
工学部はもっとも女子率の低い学部の一つですが、女子が少ないことについては、最初は戸惑いがあっても、全く問題がないとのことです(授業をさぼったりすると目立つのでばれちゃうのが難点だそうですが)。
また、今後理系として生きていく上でこのような女子の少ない職場ということもあり得るのでこの状況になれておく必要があるのではということです。
また、東大の良さとしては最先端の科学の授業が受けられ、研究ができること、東大は地方出身者が、海外の方、企業の方など色んな人の集まりなので自分とは違った価値観を持った人出会えることなどを挙げてらっしゃいました。
さらに東大ならではの進振制度(大学1・2年生は教養で、3年生になってから専攻を決める:文系から理系学部に入った例もあるらしい)についても、大学入学後にじっくりと進路を決められるということで評価されています。参加した高校生でもあれもこれもやりたくて学部が決められないという人もいましたが、こういう人はまさにうってつけの制度ですね。東大理系女子といってもみなさん、しなやかでエレガントで優しい感じの方ばかりで、とてもステキでした! 本当に好きなことに、誇りを持って取り組んでらっしゃる姿勢が魅力的です。
東大を一通り散策したのち、赤門の前で記念撮影です!
その後、根津スタジオにもどり、振り返りワークショップです。
オープンキャンパスに参加した感想は、「女子が本当に少ない!」「さすが東大なので、研究環境が整っている!」「研究ってこういうものかがわかった」「大学でやる研究は、教科書の1章にもならない範囲のことを深くやることがよくわかった!」など。その辺り、網羅的に行う高校との勉強の違いは、体感してもらえたようです。理学部と工学部の違いも、チューターさんの解説もあり、なんとなく理解してもられたのではないでしょうか。
最後に先輩リケジョに聞きたいことということで、多くの質問が出ました!
特に今回は、実験室などを中心に回ったので、サークルなどの学生生活の様子がわからなかったということで、チューターさんに普段の様子などを話してもらいました。また、学部選択の話や就職について、さらに「東大受験」に向けての勉強のコツや、時期時期に応じた勉強の仕方、オススメ参考書など、より具体的なお話が聞けて、皆さん大満足だったようです。
さらに、チューターさんたちの、より多くの体験や出会いをするため、積極的に色んな場に出るようにするといったような、大学生活を意欲的に過ごす姿勢は色んな意味で学ぶことがあったようです。
最後に、なりたい自分になるためのワークショップということで、自分が将来の目標に向かって、今、何をすべきか、何を調べるか、では夏休みに何をするのかといったことを考えて整理していきました。
まとめたものは、発表し合い、先輩から色々なアドバイスをもらいます。
このようなステップを通じて考えを整理することで、皆さん、何か新たに決心ができたようです。
今回のプログラムでは、もちろん先輩リケジョの方々とお話できたことは実りあるものとなったようですが、また、同時に、参加した高校生同士、みんながどのように将来を考えているか、勉強をしているかといったことも刺激になったようです。
みなさん、暑い中どうもお疲れ様でした! 東大目指して頑張ってください!