小人数の集まりとなりましたが、その分、アットホームな雰囲気で(お店の雰囲気にぴったりです)、お話が進みました。
ご参加された方は、翻訳家・ライターのKさん。Rikejo冊子も記事も書いてらっしゃいます(後から判明)。企業に勤めたことはあるそうなのですが、独立して仕事がしたいということでこの道を進まれました。大学では、地球惑星科学をご専攻でした。オーロラ観測にいかれたこともあるそうです。現在は、自分の専門を活かした翻訳などをされているそうです。
歯科衛生士のAさん。患者さんとのコミュニケーションとして色んな話題をしたいと思っており、特に理系の話題もしたいということで、ご参加いただきました。実はアイランドハープ奏者でもいらっしゃいます。脳科学に興味があり、色んな本を読んだり、講演などにご参加されているそうです。東北大学の大隈先生のtwitterから今回のイベントを知って、ご参加いただきました。
もう一人は、唯一学生さんの東京理科大Iさんです。4年生 毎日研究室生活なので、他
の人とふれあいたいと思ってご参加いただきました。なんと、Iさんも、ご専門は、地球化学分野(鉱物)です。
少人数なのに、なぜか「地球系」の方ばかりという珍しい会となりました。
まずは、学校の男女比についてのお話で、盛り上がりました。Iさんの周りは化学系ということもあり女子率は30%程度で、かつ研究室は半分が女性だそうです。それは、かなり女子率が高いといえますが、特に、東京理科大は、女性研究者を支援をしている「学のマドンナプロジェクト」もやられているので、女性には居心地のより環境なのかもしれません。理系だからといって女子が少ないと思ったことはないそうです。
リケダン(理系男子)とブケダン(文系男子)の話となりました。結局、リケジョがリケダンと結婚したりするのは、結局は出会う場所がないからではないかということです。ブケダンとリケジョは、お互いに避けるとかそういうことでなくて、結局は知らないままに終わるという感じでしょうか。Tさんの大学では、理工系の学部は、他の学部と隔離されていたそうで、このような大学は多いですよね。
また、Kさんの大学は、理系の多い大学だったそうで、文系もある総合大学なのに、伝統的に農学部のイメージが強いので、理系が幅を利かせていたそうです。サークルも、文系もいるけど理系が幅をきかしてる感じだそうです。大学によって、色んなカラーがあるものですね。
地学系の話題で盛り上がる!
理系の大学生活についてですが、Iさんご自身は、勉強も忙しいけれど、音楽サークルに
入ったり、外部の社会人のサークルに入ったりと、サークル活動も充実されているようです。忙しいといっても、そこは時間の使い方のようです。
理系のサークルといっても、よっぽどオタク系のサークルじゃないかぎり、テニスとか音楽系とか普通なんですよ!と強調。そうなんです、リケジョだった普通に学生ライフをエンジョイできるんです!!
また、Kさんもユースホステルのサークルで、学生生活を堪能されたそうです。地球物理
系は実験じゃないので、比較的 「大変なのは、じゅんけんくらいかな」という発言で、すかさずTさんが反応。「そうそう」とお二人で懐かしそうに盛り上がってらっしゃいました。「じゅんけんって??」 じゅんけんというのは「巡検」と書くそうです。要は、地学系のフィールドワークのことのようです。地図を渡されて、明日はここに集合って感じで集まり、みんなで調査に行くそうです。
理系といっても、研究室の中ばかりじゃないんですね。新鮮な感じです。
Tさんは、鉱物系だったので、1万円くらいの1枚刃の高価なマイハンマーを買わされたそうです。すごい! 今も大事に?お持ちだそうです。
Kさんは、同じ地学系でも、ハンマーではなくて、地震計を作るためにハンダづけするとかそういうこともされたそうです。また、十勝岳の観測実習など、進入禁止のホカホカしたところを歩いたりするそうです(ホカホカって何???みんな興味深深です)。
地学系の方とあまりお会いする機会がなかったのですが、色々な体験をされているよう
で本当に興味深いです。Tさんも、他の系に行ったら、体験できないことができたということで充実した学生生活を送られたと実感されているそうです。また、結局、地学系は、物理も数学も、生物、環境系、化学系も関わってくるので、学生として一通りできるということが面白さではないかとおっしゃっていました。
大学院に進学することについては、みなさん特段、親御さんの反対もなく進学されたようです。昔ですと婚期が遅れてなどといわれることもあったでしょうが、今はあまいそういうことはないようです。また、KさんもTさんも、大学院は他大学へ受験しなおされています。他大学へ移ることには、覚悟もいるそうですし、また、十分な下調べなども必要なようです。
その後は、草食系男子ということで、盛り上がりました。それは、歯科衛生士さんのAさんの、リケダンは歯科治療が苦手な人が多いようなという発言からでした。人事に所属するTさんは、新入社員の様子などから、やはり草食系の男子が多いと感じてらっしゃるようです。男らしさに価値を求めない男子が多いのではとのことです。逆に、新入社員の女性は、勇ましくて自己主張が強くてという傾向があるようで、もはや、価値として「女らしさ」「男らしさ」は基準にならないのかもしれません。昭和の女子の事務局Yとしては、ナットクできないものがありました(Aさんも同感してくださいましした!)
また、親と子の関係についても盛り上がりました。どのように親は子に接するべきかという話だったのですが、自立しておしごともされているKさんは、小さいころから「男には負けるなよ」みたいに言われて育てられたそうです。そうすることで、奮起して勉強などを頑張ったそうです。また、Iさんは、色んなことをやらせてくれて、かといってそれが押し付けがましくなくて、見守ってくれたことがすごくよかったとご両親に感謝してらっしゃいました。
また、Kさんのように、小さいころの、母親などからのインプットは大事ではないかということにもなりました。リケジョを育てるにも、家庭から?ってことでしょうか。
最後に、本会の本題である「科学本」の紹介しあいとなりました。
みなさん、以下のとても面白そうな本をご紹介してくださいました。それぞれに、思いや、バックグランドなりがあり、本自体もおもしろそうでしたが、みなさんの人となりも知ることができ、親睦が深まったように思います。
本の詳細につきましては、理系女子の100冊サイトで紹介しております。
ご参加してくださったみなさん、ありがとうございました!
また、是非、お会いしたいです!
■紹介していただいた本
『業火 』(講談社文庫)
パトリシア・コーンウェル (著)
相原 真理子 (翻訳)
『音楽好きな脳―人はなぜ音楽に夢中になるのか 』
ダニエル・J. レヴィティン (著)
西田 美緒子 (翻訳)
『失敗学のすすめ』
畑村 洋太郎 (著)
『これが見納め―― 絶滅危惧の生きものたち、最後の光景』
ダグラス・アダムス (著), マーク・カーワディン (著)
リチャード・ドーキンス(序文) (著)
安原 和見 (翻訳)
『銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫) 』
ダグラス・アダムス (著)
安原 和見 (翻訳)
『宇宙―そのひろがりをしろう (かがくのほん)』
加古 里子 (著, イラスト)
『寺田寅彦随筆集 (岩波文庫) 』
寺田 寅彦 (著)
小宮 豊隆 (編集)
『単純な脳、複雑な「私」』
池谷裕二 (著)
『ウェザー・オブ・ザ・フューチャー―気候変動は世界をどう変えるか』
ハイディ カレン (著)
大河内 直彦 (その他),
熊谷 玲美 (翻訳)
『アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫) 』
ダニエル キイス (著)
小尾 芙佐 (翻訳)
『野村ノート(小学館文庫) 』
野村 克也 (著)
(矢部)
次のレポートは 「Rikejoオープンキャンパスレポート 東京大学編」