Rikejoマガジン vol.26『憧れの業界に携わるリケジョブ』特集に登場した豊島彩さん。
現在、トンボ鉛筆でボールペンの研究開発を行っている彼女は、リケジョのプロジェクトがスタートした当初からRikejoを支えてくれたひとりです。
当時、電気通信大学の学生だった豊島さんは、研究や就職活動で忙しかったにもかかわらず、Rikejoの誌面にアドバイスをくれたり、ホームページの人気企画『みんなのQ&Aルーム』で読者からの質問に答えてくれたり、いろんな形でRikejoに協力してくれました。
豊島さんは、まさに現在Rikejoのwebで活躍する製作所の第一期メンバーとも言える存在です。そんな彼女もいまでは社会人となり、先輩リケジョのひとりとしてRikejo本誌に登場してくれることになったのです!
▶ 【リケジョブ紙面連動企画】先輩リケジョにQAインタビュー!〜株式会社トンボ鉛筆 〜
そこで、あらためて感謝の気持ちを伝えるために、Rikejo製作所の砥上所長が豊島さんの職場を訪問。久しぶりの再会を果たしたのでした。
砥上所長:本当に久しぶりです。立派になったね。
豊島さん:いえいえ(笑)。
砥上所長:Rikejoのプロジェクトがスタートした当初から協力してくれていた豊島さんが、社会人になって、Rikejo本誌のインタビューに答えてくれるなんて感無量です(笑)。最初に豊島さんに会った時は、まだ大学生でした。ホームページの『みんなのQ&Aルーム』で、理系志望女子中高生たちの疑問や悩みに答えていただけるメンター役の募集に応募してくれたんですよね。
豊島さん:そうでね。当時、大学生だった私はmixi(ミクシィ)で理系女子のコミュニティに入っていて、そこに砥上さんたちが「ボランティアのメンターを募集しているので協力してほしい」と声をかけてきたんですよね。それを聞いて、私は軽いノリで、「じゃあRikejoのメンターに登録してみようか」という話になったと思います。当時は学生だったので時間的にも余裕がありましたし、「理系女子のために力になれればいいな」という気持ちもあったので、協力することにしました。
砥上所長:それは2009年の夏だったと思います。本当にRikejoのプロジェクトがスタートして間もない頃でした。
豊島さん:最初のうちは、結構トラブルがありましたよね(笑)。
砥上所長:そうですね。最初はモバイル(携帯)サイトしかなくて、中高生の方から質問が来るたびに僕がメンターの皆さんにメールを送っていました。
豊島さん:そうそう(笑)。でも他のメンターの方々に「そんなにしょっちゅうメールを送られても困る」と怒られていましたよね(笑)。
砥上所長:そんなこともありました(笑)。最初は試行錯誤の繰り返しでした。その後、質問をまとめて10通ぐらい送るようにしたり、最終的には質問をジャンル分けするようになったんですよね。2010年の正月にも質問が来て、それをどう対処するのかというのも随分悩みました。それもいまでは懐かしい思い出です(笑)。
豊島さん:それから間もなくしてwebの公式サイトがスタートしたんですよね。
砥上所長:2010年の4月です。それでメンターの皆さんにプロフィールを書いてもらったり、いろいろ面倒なことを頼みました。でも、皆さんのおかげでいいサイトができ上がりました。
豊島さん:そのあと、メンターをしている人たちで集まってみようという話になり、最初20人ぐらいが集まって、講談社で会いましたね。
砥上所長:みんな初対面なので、その時はかなり緊張していましたよね。
豊島さん:いや、砥上さんが一番緊張していたと思いますよ(笑)。
砥上所長:そうかもしれませんね(笑)。あの時、メンターの皆さんに「理系を選んだ理由は?」とか「どんなサービスがあったらいいですか?」とあらためて聞きしました。すると、「自分が中高生の時を思い返すと、進路や勉強に関する質問や疑問に対して先輩リケジョが答えてくれるようなサービスがあったらよかった」という声が一番多かったんです。それで、現在の『みんなのQ&Aコーナー』のようなサービスは間違っていないという結論になりました。
豊島さん:それ以外にも何度かメンターの方と集まってミーティングをしたり、実際に現役の女子高校生とその親御さんたちに理系についてお話をしたり、いろんなことをしました。
砥上所長:プロジェクトがスタートした頃は、理系に進学する中高生のことは何もわからなかったので、豊島さんのようなメンターの方々にはいろいろ助けてもらいました。あらためてお礼を言わせてください。本当にありがとうございます。でもRikejoのメンターをやっていて、逆に良かったこともありました?
豊島さん:質問に答えたら、お礼のメールが来たこともありました。マメな子はちゃんとお返事をしてくれますよね。そうすると、私たちもやってよかったなって思いましたし、うれしかったですね。
砥上所長:豊島さんがこれまで質問に答えてくれた内容をチェックしてみましたが、本当に親身になって、丁寧に対応してくれています。学校の先生みたいに冷静に答えていますよね(笑)
▶ http://www.rikejo.jp/faq/menter/profile/menter_id/114
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豊島さん:2011年といえば、学部の4年生から大学院に入る時期でしたので、大学でも学科やサークルの後輩にいろいろ聞かれる立場にありました。特に大学1年生は高校生とまだ感覚的に近く、わからないことがいっぱいあるので、進路や研究、学生生活などについて、いろいろ聞いてくるのです。彼らに接していた時と同じ感覚で、RikejoのQ&Aコーナーでも質問に答えていました。
砥上所長:ところでリケジョ(理系女子)と言われることに、当時、違和感はありました?
豊島さん:特にありませんでした。私が中学や高校の時は、“リケジョ”という言葉はありませんでしたが、ずっと「女の子でも理系をやるんだ」というふうに言われてきていましたから。高校の時から理系女子は少なかったですし、私の学科でも大体5%ぐらいしか女子はいませんでした。だから、リケジョがもっと増えてほしいという気持ちはずっとありましたので、Rikejoのプロジェクトを応援しようと思ったんです。
砥上所長:皆さんのおかげで、リケジョという言葉も徐々に浸透してきました。
豊島さん:本当にそうですよね。
砥上所長:豊島さんのように、Rikejoのプロジェクトに関わった学生がどんどん社会に出て活躍されると、もっともっとリケジョが増えていくと思っています。いま、携わっている文房具の研究開発は、リケジョは多いのですか?
豊島さん:私が携わっているボールペンの開発部門は女性が多いですよ。特にインクの研究開発は化学系の出身者がたくさん活躍されていますので、女性が多いです。外装とかメカ系は男性が多いですね。会社全体でいうと、研究開発部門は男性がちょっと多いというイメージですね。
砥上所長:今日は上司の方にも会えて、優しく見守られながら仕事ができていることがわかりました。すごくいい環境で仕事ができて、本当に良かったですね。これからますますの活躍を期待しています。
豊島さん:ありがとうございます。
砥上所長:お仕事が忙しいと思いますが、これからもRikejoのことを応援よろしくお願いします。
(取材・文=川原田剛 写真=井上孝明)