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*お客様の理想のタイヤを設計

ヨーロッパのメーカーの乗用車に使われるタイヤの開発をしています。
タイヤの主成分はゴムですが、内側に繊維や金属などが入っています。
何をどのくらいどう入れるか、
また、タイヤ表面の溝(パターン)をどんな深さでどんな模様にするかで、
タイヤの性能は変わります。
私は、メーカーから
「この車種はこういう性能にしたい」
という要望を聞き、それを実現するタイヤを設計。
工場で試作し、テスト走行して調整を重ね、
メーカーのOKをもらい、量産に至るまで、最初から最後までに関わります。
ヨーロッパの車なので、テスト走行はヨーロッパで実施します。
英語のメールを打たない日はないですし、海外との電話会議などもあります。
正直、ここまで海外と仕事をするとは思っていませんでしたが、
やりがいがあります。
出張で海外に行くたびに、
ライフスタイルや考え方の違いを知り、
新しい発見がありますし、
自分もちょっと新しくなったような気持ちになれます。

*F1マシンを見て「ビビビッ!」

自動車の仕事をしたいと思ったのは大学生になってから。
免許をとって、いざ運転してみたら、案外難しくて逆に興味がわきました。
その後たまたまF1マシンを見る機会があり、
その瞬間、「ビビビッ!」ときてしまったんです(笑)。
高校時代には自分が何をしたいかわからなくて、
できるだけその後の選択肢を広く持てる大学を選んでいたので、
それから自動車の制御工学を専門にすることに決め、
大学院まで研究し、就職しました。

*どの分野でプロになるか、ということ

大切なのは、
「グローバルに仕事をしたい! 外国に行きたい!」よりも、
どの分野でプロになりたいか、だと思います。
私の夢は、タイヤの分野で信頼されるエンジニアになること。
いつかレースカーの仕事がしたいです。
 
 
 
(文=峯田亜季 写真=井上孝明)