みなさんは高等専門学校、いわゆる「高専」の存在を知っていますか?
高専とは、創造性のある実践的技術者を育成する高等教育機関です。
学費が安く、専門スキルが身につき、就職率もいい。
そんな魅力的な教育機関でありながら、高専はあまり知られていません。
高専の女子学生となれば、さらにマイナーな存在。
そんな高専女子たちが、自分たちの魅力を企業に伝える「高専女子フォーラム」が、3月27日、学術総合センターで開かれました。
この日、イベントに訪れた企業は44社。高専女子への関心の高さが伺えます。
プログラムの第一部は、Rikejoのマネージャー・砥上雅夫さんの講演。
最近、IT企業を中心に、女性エンジニアを積極的に採用する企業が多くなっているとのこと。
理系女子の活躍の場は、確実に増えているそうです。
「ところで、そもそも理系女子が増えたらどんなことがハッピーなの?」
「もし世の中のエンジニアがすべて女性になったら、どんな世界になる?」
それを考えて発信するのが、これからの課題だと砥上さん。
たしかに、理系女子が男性社会に進出していくには、
理系女子だからこそ生み出せるものとは何かを考える必要がありますね。
第二部は、高専女子たちによるポスター発表。
全国の8高専に所属する女子学生たちが、自分たちの特長や強みをまとめた「高専女子百科」をもとにプレゼン。
イベントに参加した39人の高専女子1人1人が、企業のかたと積極的にコミュニケーションを取っていました。
さて、ここで高専女子の声を紹介します。
有明高専 物質工学科 本科5年の佐藤美紀さんは、理科の実験が好きだったことから高専へ。
卒業研究では、光合成細菌が人に有用な物質をつくっていないかを調べているそうです。
「好きなことができて楽しいです!理系に進みたいと思っているのに、男の子が多いからという理由で諦めるのはもったいない。
実験のとき以外は、スカートやヒールの靴を履いたりして、女の子としてのオシャレも楽しんいでいます♪将来は製薬会社で薬の開発をしたいと思っています」
香川高専 建設環境工学科 5年の赤松紋奈さんは、土木系女子=ドボジョ。
4月からは専攻科に進学する予定だそうです。
「中学生のとき、橋を見てすごい!って感動したんです。私も橋をつくりたいと思って高専に入りました。最初は漠然とした夢だったんですけど、勉強するうちにすごく面白くなってきて、もっと研究したいと思って専攻科への進学を決めました。将来は橋梁メーカーに就職したいと思っています」
企業側の声として、オムロン フィールドエンジニアリング株式会社の古田 拓さんにもお話を聞いてみました。
同社は、社会インフラ(駅・金融)をはじめとした様々な機械のメンテナンスや修理を主な業務としている会社で、毎年10人くらいの高専女子を採用しているそうです。
「10年ほど前から女性CE(カスタマエンジニア)の採用を始めました。以前は体力勝負の仕事が多かったのですが、最近は機械が高度化・軽量化してきたり、設計・構築の業務が増えたり、取引のある業界も一層広くなって、女性の活躍の場が広がってきました。たとえば、女性が1人で住んでいる家に修理に行くときに女性エンジエアが行ったほうがお客さんも安心ですよね。そうしたお客様へ安心と安全を届けるためのひとつとして女性を積極的に採用し始めているところです」
このイベントについて。「とても貴重な機会だと思います。ただ、学生からのプレゼンだけでなく、企業からも、なぜ高専女子をとりたいかをプレゼンできれば、学生たちも企業を選べるので、お互いwin-winですね」
今回の経験をとおして、さらに成長した高専女子のみなさん、これからも目標にむかってがんばってくださいね!
★高専女子フォーラムについてはこちらをごらんください。