その頂上決戦となる全国大会が3月18日(金)から21日(月)まで茨城県つくば市で開催されました。 [PR]
第5回大会は、過去最多となる8,261人がエントリー。地方予選を勝ち抜いた47都道府県の代表チームのなかで唯一の女子校 群馬県立高崎女子高校の奮闘をご紹介します!
全国の高校生が1校6~8人のチームを組んで、科学の力を競い合う筆記&複数(今大会は4つ)の実技競技に挑む、学校対抗のコンテストです。優勝チームはアメリカで開催される「サイエンス・オリンピアド」へ派遣されます。
「科学の甲子園」ウェブサイト:http://koushien.jst.go.jp/koushien/
3色のLED、センサー、プログラムを駆使して色を文字に変換せよ!
大会最終日。一般公開された最終実技競技の会場には、応援に駆けつけた保護者や各メディアの取材クルーなどギャラリーがいっぱい。皆に見守られながら、160分間の実技競技3「届け!光のメッセージ」が行われました。理科、数学、情報など教科の枠を越えた総合的な科学の力が試される難問に、いざチャレンジ!
高崎女子高校は、チームリーダーの深津さん、橋本さん、木村さんの3人で最終競技に挑みます!
― 「届け!光のメッセージ」のルール ―
赤・青・緑の3色のLEDを使って“色を文字に変換して送信する”タイムレース競技。3色の光の割合と強弱をコントロールしてさまざまな色をつくり出す送信機と、5mm角の小さなカラーセンサーで信号を受け取る受信機を作り、2つを光ファイバーでつなげ、64個の文字を送信します。受信機とつながったパソコンには、縦8×横8の64分割にされたパネルがあり、変換が成功するごとにパネルが1枚オープン。パネルが全部開き、隠れている画像が全て見えれば成功! 制限時間は3分。ただし15回エラー送信をすると即失格です。
競技スタートの合図とともに、さっそく作業を開始!
3つの色をスムーズにコントロールするために、送信機の操作板を円盤型にした高崎女子チーム。まずは、プラスチック板から3つの円盤を切り出します。
送信機も受信機も、周囲から余計な光が入らないことが大切。光が入らないよう念入りにチェック!
センサーが正確に光を受信するためには、光ファイバーの光をあてる角度も重要。できるだけ真上から光があたるよう、中継点となるスタンドを高くします。
残り20分を切った頃から会場内には「できたー!」と作業完了の声をあげるチームも。高崎女子チームの製作は続きます。制限時間いっぱいまで制作し、作業終了の合図!
果たしてうまくできたのか…!?
さぁ、いよいよ注目の競技です!!
8チームずつの全6レース。高崎女子チームの出場は第5レースです。出番まで他校のレースを見守ります。
会場がどよめいたのは、第2レース。なんと3チームが1分以内でクリアし、なかでも愛知県代表の海陽中等教育学校はノーミスで35秒台を記録! これには、課題を作成した先生たちもびっくりです。1分以内のクリアが決勝レース出場の条件になりそうなハイスコアの戦いが続く中、ついに迎えた第5レース。
2人が送信側、1人が受信側にスタンバイして…5、4、3、2、1、スタート!
が、あれ??
なんと、アプリの不具合で画像が消えてしまうトラブルが発生…!?!
「なんで??」3人とも思わず頭が真っ白…。
しかしこれにはすぐに救済措置が取られ、次の第6レースに参加できることになりました。
気を取り直して、2度目のスタート!
画面は出ました。でも、なかなかデータを受信できません。エラーばかりが増えていきます…。
「緑を強くしてみて」「青!青!」と受信側の橋本さんが声をかけます。
何度もトライしながらも、ついに即失格の一歩手前“エラー14”に…
そして、タイムアップ!
健闘するも、クリアならず…。思わず涙がこぼれます。
3日間の競技がこれですべて終了しました。皆、がんばりました! おつかれさまでした!!
刺激がいっぱい! 貴重な経験ができた『科学の甲子園』!!
じつはこの高崎女子チーム、普段はクラスも部活も異なる2年生8人が集結した特別チームで、文系女子もメンバーとなり挑戦していたとのこと。それで全国大会進出は見事!です。引率の田中先生も「最終レースでは1文字送れれば成功と思っていました。チャレンジすることが大切。皆、チームワークもよく、力を出し切ってくれました!」と、彼女たちの奮闘を讃えます。
これが、3色の光の調整がスムーズにできるよう円盤を3つ重ねた高崎女子の送信機!
最後は残念な結果だったものの、3日間の競技を終えたメンバーの表情は晴れやか♪
学校では文系だという七五三木(しめぎ)さんは「貴重な経験ができました」と満足そう。
「女子校なので同年代の男子がいることが新鮮で…」と木村さんは苦笑い。
「どの県の代表チームもすごくて、刺激をもらいました」「次元が違う会話をしている高校生がいっぱいいてすごかった!」と、保坂さんと小林さん。
最終競技で涙を流した橋本さんは「柔軟な発想も必要だということがわかったし、興味が広がった!」。
チームリーダーの深津さんは「理系の勉強への意欲が出ました」
と、それぞれの想いを語ってくれました!
次回「イベントリポート 第2弾」では『第5回 科学の甲子園 全国大会』の結果報告&リケジョたちの活躍を紹介します!