Q:人間工学科で学んで良かったことは何ですか?
ユニバーサルデザインの考え方を常に持てるようになったことです。
大人にも子どもにも、お年寄りにも障害のある方にも、
すべての人が使いやすいものを作ることがユニバーサルデザインの考え方。
国際化や高齢化が進む今、
「すべての人」の立場に立って物事を考える姿勢は、
あらゆる分野において必要になってきますし、
生きていくうえでも大切だと思います。
この学科は、技術と同時に、根本的な精神を身につけられるのも魅力だと思います。
Q:印象深かった授業について教えてください。
「ユニバーサルデザイン・CAD演習」です。
コンピュータ上で、各部のサイズや関節角度などを設定した人体モデル、
つまりデジタルマネキンを使用して、人にかかる負荷などを調べています。
例えば杖も、その人の体型に適した物を使わなければ、
無理な姿勢を取ることになり、逆に負荷が大きくなってしまいます。
そういったことがないよう、
年齢や性別などによる身体的特性のばらつきを踏まえて、
人が使いやすい製品を生み出せるよう追究していきます。
このデジタルマネキンのソフトを学科の授業に取り入れたのは、日本で初めてとのこと。
こういった最先端の技術を駆使して、
ユニバーサルデザインの実現方法を探っています。
Q:今、興味のあるテーマは何ですか。
植物資源であるバイオマスの燃料化や、
プラスチックに替わるバイオ材料の開発に取り組まれている研究です。
もともと生物系の分野が好きで、自然や環境に関心があったので、特に興味があります。
環境との共生や、環境負荷の低減は、現代の大きな課題です。
人間工学科のテーマは、「環境にも人にもやさしい」こと。
これからの世の中で大切になっていく部分なので、
魅力的に思います。
Q:これからの目標を教えてください。
専門的な知識を身につけることはもちろん、
ディベート能力やプレゼン能力など、社会へ出るにあたって必要な能力も磨きたいです。
2年次後期の「専門ゼミ」では、ユニバーサルデザインに関する課題について、
グループごとにアイデアを出し合い、プレゼンをするという授業を行うので、
こういった実践力も高まっていくと思います。
理想は、人にも環境にもやさしい製品が作れるエンジニアです。
夏休みに企業見学会で伺った会社では、
空調を控えめにしても快適に過ごせる製品が実用化されていて、
私もこういった物づくりができればと感じました。
地球温暖化などの環境問題も深刻化しているので、
その解決に少しでも貢献できたらうれしいです。